2020 Fiscal Year Annual Research Report
パレオアジアDBデータ時空間動態の可視化と文化多様性形成プロセスの推定
Publicly Offered Research
Project Area | Cultural history of PaleoAsia -Integrative research on the formative processes of modern human cultures in Asia |
Project/Area Number |
19H04520
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 光平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60725274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 文化進化 / シミュレーション / データベース / 旧石器 / 考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、(1) 約13-2万年前のユーラシア大陸の広域にわたる石器製作技術のデータの定量的解析と、(2) 解析によって得られたパターンを生み出したプロセスの検討や方法論の妥当性を確認するためのシミュレーションをおこなった。(1)のデータ解析において、石器製作技術のデータ化には、Graham Clarkeが提唱し、John Sheaが拡張した石器製作技術の分類である「モード」を、さらにPaleoAsiaプロジェクトが拡張したものを用いている。453遺跡、895石器群を対象とし、あるモードが注目してる石器群に存在していれば1を、していなければ0をコードし、各石器群について01のベクトル配列を作成した。この配列の多様性を、多変量解析をもちいて定量化・可視化した。その結果、おおまかにではあるが、通時的に東西で石器製作技術が異なること、時間とともに、西アジアおよび北アジアに新しい技術が普及していくことが示唆された。少なくとも変化の一部は、現生人類の拡散と関連する可能性がある。この結果は、Quaternary International誌に掲載された。 (2) のシミュレーションにおいては、世界地図を10度ずつに区切り、地理空間をメッシュに分割した。メッシュ上で、エージェントは出生・死亡、文化伝達、移住をおこなう。各メッシュは、対応する現実の空間の標高に応じて環境収容力が決まっており、適応的な新技術は、メッシュの環境収容力を上げると仮定した。一定時間シミュレーションを走らせた後、パレオアジアDBに収録されているのと同じ遺跡からサンプリングをおこない、現実のデータと比較した。現在、実際のデータに近いデータをシミュレーションによって生成することはできていないが、現実のデータが単なるサンプリングバイアスである可能性は低いという見通しを得ている。 本研究課題の成果を含む、文化進化研究一般の数理モデルやデータ解析について扱った『文化進化の数理』を出版した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] パレオアジアモード存在・非存在データの探索的統計解析2020
Author(s)
小林豊 , 田村光平 , 鈴木美保 , 中村光宏 , 加藤真二 , 中川和哉 , 髙倉純 , 山岡拓也 , 野口淳 , 近藤康久 , 西秋良宏
Organizer
「パレオアジア文化史学」第10回研究大会
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