2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of novel random laser sources using a laser processing technique
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
19H04529
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
藤原 英樹 北海学園大学, 工学部, 教授 (10374670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 表面凹凸構造 / ランダムレーザー / レーザー誘起表面周期構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、レーザー誘起表面凹凸構造作製法の条件探索を行い、GaN基板上に低しきい値のランダムレーザー発振構造を作製することを目指した。レーザー照射強度と照射時間を変えながら構造を作製し、そのレーザー発振特性を評価していったところ、強度が大きい場合には短時間の照射時にしきい値が低く、強度が小さい場合には長時間照射が必要となる傾向が明らかとなった。これらの実験を系統的に行うことにより、GaN基板に強度約1GW/cm2のレーザーを10秒照射した際、しきい値が最小(約60MW/cm2)となることを明らかにした。また、GaN以外の材料への本手法の適用を行い、532nmレーザー照射によりGaAs基板に作製した凹凸構造において、近赤外領域でのレーザー発振の観測に成功した。次年度においては、北大オープンファシリティの電子顕微鏡を利用し、表面構造としきい値の関係を明らかにすることで必要な形状を作製するためのレーザー照射条件探索をさらに進めていく予定である。 また、レーザープロセスによる発光デバイス作製に関連し、金属ナノ構造を熱源とした新規なプラズモンアシスト水熱合成法の開発にも成功し、論文発表を行った。本手法では、金ナノ構造のプラズモン共鳴を励起し、局在プラズモン場による増強効果ではなく、ナノサイズの熱源として注目することにより、光の回折限界よりも小さな領域に選択的にZnOを水熱合成する新たな手法を確立した。現在は、このプラズモンアシスト水熱合成法を他材料にも適用し、新規物質合成や波長制御を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はレーザー誘起表面凹凸構造作製法の条件探索とGaN基板以外の材料への本手法の適用を行い、作製条件の最適化によるランダムレーザー発振の低しきい値化と、GaAs基板での近赤外領域でのレーザー発振の観測に成功し、当初の目的をほぼ達成することができた。この成果に関して、研究発表(国内8件、うち招待講演2件)を行い、現在は論文投稿の準備を行なっているところである。また、レーザープロセスによる発光デバイス作製に関連し、金属ナノ構造を熱源とした新規なプラズモンアシスト水熱合成法の開発にも成功し、研究発表(国内1件、国外1件)と論文発表(1件)を行なった。現在は、この手法を基に水熱合成法を他材料にも援用し、新規物質合成や波長制御を試みている。しかし、当初からの手法であるレーザー誘起表面凹凸形成を介した意図的な不純物や欠陥構造の導入にまでは至っておらず、次年度も継続して新規化合物の生成方法の確立を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー誘起表面凹凸形成法による不純物ドープや欠陥構造の意図的な作製による新規化合物合成とレーザー発振については今後も継続して行う予定であり、発振にまで至らずとも、何らかの発光中心の観測を目指していく。特に溶液中でのレーザー誘起表面凹凸形成を試み、溶液内の不純物や基板上への多材料コートなどによる意図的なドーピングを行う。また、これと並行し、レーザー誘起(プラズモン支援)水熱合成法を用いた新規物質合成に関する研究も行い、溶液への意図的なドーピングによる物質合成を試みる。得られた試料は、北大オープンファシリティを活用し、SEM像観察、X線回折測定、エネルギー分散型X線分析により評価を行い、ドーピングのための条件を確認する。これらの成果から、レーザー照射条件に対する結晶構造とマクロなフィードバック構造の特性変化への影響を評価し、最終的に新規なレーザープロセスによる特異構造を意図的に作製する方法を確立する。
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Research Products
(25 results)