2020 Fiscal Year Annual Research Report
結晶不完全性の積極利用による高機能テラヘルツ帯機能素子
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
19H04539
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河野 行雄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90334250)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テラヘルツ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで高品質半導体にとって不完全性の要因であった有機・高分子や格子欠陥は、対応するダイナミクスの多くがテラヘルツ(THz)周波数帯に属するものの、THzデバイスへの応用研究が不十分である。本研究は、有機・高分子材料の持つ多彩な高次結晶構造や欠陥、これらの外界への敏感な応答性など、不完全結晶電子材料ならではの特異な特徴を活かすことにより、従来にはない新規なTHz機能デバイスの開拓を目指すことを目的とする。 今年度は、(1)ナノ発光素子、(2)周波数フィルタリングに関する研究を実施した。(1)については発光領域のサイズを変えることで、ピーク周波数を変えられるサイズ効果を見出した。ナノ構造がない場合に比べて発光強度が格段に強く、またサイズ効果による発光特性の制御が可能であることから、欠陥エンジニアリングならではの発光素子応用が期待できる。(2)有機物については、当研究室で開発してきた周波数フィルタリング素子に有機物を付加することでフィルタリングする周波数を変えるというユニークな使い方ができることを示した。外部からの刺激で有機物の構造や物性を自在に変えられるため、アクティブな周波数可変型フィルタリング素子としての応用が可能である。 以上から、有機・高分子や格子欠陥など、これまで無機物の完全結晶の観点からは好ましくないとされていた物質や構造を積極的に導入することで、新たな光機能をもたらすことが可能となった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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