2020 Fiscal Year Annual Research Report
らせん不斉を有する錯体触媒の開発と不斉酸化反応への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
19H04560
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 隆彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20264012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | らせん不斉 / ルテニウム錯体 / 不斉酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トリス (2-ピリジルメチル)アミン(TPA)の2つのピリジン環の6位に、アミド結合を介して不斉な官能基を導入したピリジルアミン配位子、及びアミド結合を介して嵩高い芳香族置換基を導入したピリジルアミン配位子を合成し、ルテニウム錯体に結合させることで、金属近傍への不斉点の導入、及びらせん不斉を誘起させたメタロヘリケートの形成による、新規な不斉酸化触媒系の構築を試みた。本年度の成果は、以下の通りである。 新たに、TPA配位子にアミド結合を介して1-ナフチル基を3位に有するベンゼン環を有する、N,N-Bis(6-(3’-(naphth-1”-yl)benzamide)-pyrid-2-yl-methyl)-N-(2-pyridylmethyl)amine ((3-NP-CONH)2-TPA)を合成し、そのRu(II)錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。生成したRu(II)-クロロ錯体の光学分割を、キラルな対イオンとのイオン対形成、キラルなカラムを用いたHPLCによる分離などによって試みたが、光学分割には至らなかった。次に、トリフルオロエタノール(TFE):水(1:1)混合溶媒中で、(3-NP-CONH)2-TPAを配位子とするRu(II)錯体を(NH4)2[Ce(NO3)6] (CAN)によって電子移動酸化し、Ru(III)-OCH2CF3錯体が生成することを明らかにした。そのRu(III)種を酸化活性種として、プロトン共役電子移動を経由するベンジルアルコール類の酸化反応が進行することを見いだした。なお、さまざまな基質や反応条件を検討したが、残念ながら不斉酸化反応の開発には至らなかった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)