2019 Fiscal Year Annual Research Report
CP-OLEDを指向したハイブリッド円偏光発光(CPL)体の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
19H04600
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
今井 喜胤 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80388496)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 円偏光発光 / CPL / キラル / CP-OLED / 蛍光 / テルビウム / ぺリレン / 面不斉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新しい光学活性有機および有機-メタルハイブリッド発光体の創製および円偏光発光(CPL)特性を有する有機EL(CP-OLED)材料の開発を試みた。 まず、軸不斉を有するBINAP配位子と面不斉を有するPhanephos配位子を用い、ランタノイドTb(III)錯体と組み合わせることにより、光学活性有機-Tb(III)ハイブリッド発光体の作製を試み、アセトンおよびクロロホルム溶液中における、CPL特性について検討した。 BINAP-Tb(III)ハイブリッド発光体では、明確なCPLを観測することはできなかった。一方、面不斉を有するPhanephos-Tb(III)ハイブリッド発光体では、CPLの発現に成功した。アセトン溶液中では、極大CPL波長489, 529, 543, 557, 590, 625 nm、クロロホルム溶液中では、極大CPL波長492, 533, 544, 552, 591, 625 nmに、強いCPLを観測することに成功し、新しい光学活性有機-メタルハイブリッド発光体の開発に成功した。 続いて、ペリレン骨格に光学活性部位を導入した光学活性ぺリレンジイミド発光体BPPを開発した。 BPPのCPLスペクトルを、高分子ポリマーPMMA Film状態、ポリウレタンmyo-IPU Film状態、固体KBr Pellet状態で測定した。その結果、高分子ポリマーPMMA Film状態、ポリウレタンmyo-IPU Film状態、固体KBr Pellet状態のいずれの状態においても、強力なCPLを観測することに成功し、それらの極大CPL波長は、いずれも635 nm付近であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は、1)高い量子収率(強く発光)と大きな異方因子(強く回転)を有する有機および有機-ランタノイドハイブリッド円偏光発光(CPL)体を開発する。2)得られたハイブリッドCPL体を用いて、CPLを自家発光する光学活性有機発光ダイオードCP-OLEDの開発を行う、というものである。これまでの研究において、面不斉を有するPhanephos配位子を用い、ランタノイドTb(III)錯体と組み合わせることにより、光学活性有機-Tb(III)ハイブリッド発光体の作製、さらに、ペリレン骨格に光学活性部位を導入した光学活性ぺリレンジイミド発光体BPPの開発にも成功している。さらに、それら発光体の固体状態におけるCPL特性発現にも成功しているため、おおむね順調に研究が遂行されていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、引き続き、高い量子収率と大きな異方因子を有する有機および有機-ランタノイドハイブリッド円偏光発光(CPL)体を開発する。開発したハイブリッドCPL体を用いて、CPLを自家発光する光学活性有機発光ダイオードCP-OLEDの実現を目指す。
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Research Products
(6 results)