2019 Fiscal Year Annual Research Report
Search for vacuum structures with a photon-photon collider
Publicly Offered Research
Project Area | New expansion of particle physics of post-Higgs era by LHC revealing the vacuum and space-time structure |
Project/Area Number |
19H04611
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
難波 俊雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (40376702)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / 量子電磁気学 / 真空 / 自由電子レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
X線自由電子レーザー施設であるSACLAの2つのビームライン、BL1の軟X線(0.1keV)とBL3の硬X線(10keV)を正面衝突させるための軟X線の取り回し方法を検討した。BL1のリング集光ミラーの上流で軟X線の経路を分岐させ、全反射ミラー+多層膜ミラー+全反射ミラーの3枚の軟X線ミラーを組み合わせることで、既存設備との干渉無く、軟X線をSACLA BL3の実験ハッチ4cまで導けることが分かった。また、ミラーの反射率等から、この時の軟X線のスループットは47%程度と見積もった。 一方、実際に集光可能なパラメーターにもとづいて量子電磁気学が予言する光子・光子散乱シグナルの量と分布の計算をおこなった。0.1keVと10keVのX線(強度はそれぞれ10^12photons/pulse、10^11photons/pulse)を1マイクロメートルまで集光して衝突させた場合、重心系エネルギーは2keVとなり、10Hz衝突×1日分のビームタイムで期待されるイベントは10^-12となった。重心系ではほぼ一様に散乱イベントが生じるが、今回は非対称なエネルギーの衝突であるため、硬X線の下流方向にシグナルが集中する。ビーム軸からの角度が100mradから200mradの範囲を検出器で覆うことで、50%の検出効率でシグナルが検出できることが分かった。これは衝突点の下流10cmの位置に内径2cm、外径4cmの検出器を配置することに相当する。また、この範囲の散乱X線のエネルギーは5keVから8keVとなる。このことから、検出器としてオクタルMPCCDを利用可能と分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響で、SACLA現地へ訪問しての作業が進まず、チェンバー製作等の一部作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
シグナルと検出器の配置等についてさらに詳細に検討するとともに、真空チェンバーや軟X線のビームパスを製作して実験をおこなう。
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