2020 Fiscal Year Annual Research Report
Search for new physics by muonic atom spectroscopy
Publicly Offered Research
Project Area | New expansion of particle physics of post-Higgs era by LHC revealing the vacuum and space-time structure |
Project/Area Number |
19H04618
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
神田 聡太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (10800485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミュオン / ミュオン原子 / エキゾチック原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではミュオン原子のX線分光によってミュオン原子におけるパリティの破れを観測し、Weinberg角を決定するとともに標準模型を超えた新たな物理を探索することを目指した。令和二年度は研究計画の最終年度にあたり、得られた主な成果は次の四つである。 (1) 初年度に開発したLYSO:CeシンチレーターとSiPMを用いたカロリメーターを改良してエネルギー分解能の向上を図った。不感領域を最小化して集光効率を改善し、目標値に近いエネルギー分解能が達成された。ルテチウムの自己放射線を用いてパルスミュオンビームを用いた測定中に随時エネルギー較正を行う解析手法を実証した。 (2) カロリメーターを内部に設置可能なガスセルを開発し、ミュオン原子の分光実験を行なった。実験はJ-PARC MLFの一般課題としてMUSE D1エリアにて実施し、メタンを用いてミュオン炭素原子に由来する75 keVのX線を検出することに成功した。X線事象の時間とエネルギーを詳細に解析し、ミュオン炭素原子の2S準安定状態の探索を進めている。 (3) ミュオン崩壊電子の時間スペクトルの解析から、気体標的容器の中心とミュオン静止位置分布の中心が一致するようにビーム運動量を最適化する手法を確立した。標的圧力を0.1気圧まで下げても現実的な測定時間の範疇で十分な電子およびX線の統計量が確保可能であることが示された。 (4) 標的に横磁場を印加して崩壊電子の前後非対称度を解析することでミュオン炭素原子のスピン回転信号を探索したが、グラファイト標的で観測されたようなスピン歳差は見られなかった。一方で縦磁場を印加した測定ではゼロ磁場におけるスピン緩和信号の有意な変化が観測された。これはミュオン炭素原子が基底状態においても残存電子を伴っていることを示唆するが、より詳細な理解のためには新たな系統的測定が必要となり、新たな実験提案を行なった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)