2020 Fiscal Year Annual Research Report
Spatiotemporal fluid distribution relevant to shallow slow earthquakes
Publicly Offered Research
Project Area | Science of slow earthquakes |
Project/Area Number |
19H04632
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
利根川 貴志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震発生帯研究センター), 副主任研究員 (60610855)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 浅部スロー地震 / 流体移動 / 不均質構造 / 速度構造 / 時間変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南海トラフの海域で発生するスロー地震と流体がどのように関係しているかを解明することである。そのために、南海トラフに設置されたDONETという海底地震計観測網のデータを用いて、海底下の地震波速度構造および不均質構造の時間的な変化を調べ、その変化のタイミングとスロー地震の発生を比較するということを行った。 用いた海底地震計のデータは2011年1月~2021年3月までの連続データである。これに地震波干渉法を適用し、2つの観測点間を伝わる音響レーリー波を抽出した。この音響レーリー波は海中と海底堆積物にエネルギーを持つ波で、約1.5 km/sの速さで伝播する。干渉法で計算された相互相関関数のコーダ部分にストレッチング法を適用することで速度変化(dv/v)を推定し、さらにdv/vを用いて補正された波形とリファレンス波形の相互相関関数(CC)を算出することで不均質変化を推定した。 結果では、熊野灘や紀伊水道の付加体先端では浅部スロー地震に関連するCC変化を検出することに成功し、この不均質構造の変化は流体が移動することに起因すると考えられる。また、dv/vはこれまではスロー地震に関連する変化は見られなかったが、2020年末に活動期間の長いスロー地震が発生し、その活動に関連するCC変化に加えて、dv/vの変化が初めて確認できた。これはこれまでのスロー地震に比べてより大量の流体が移動したことが原因と考えられる。 さらに、この流体移動の場所の推定も行ったところ、スロー地震の発生時はその震源域内で、それ以外のときは震源域の周囲で流体が移動していることがわかった。これは震源域が固着しているときは流体を通しにくいことを示唆していると考えられる。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Weak faults at megathrust plate boundary respond to tidal stress2021
Author(s)
Takashi Tonegawa, Toshinori Kimura, Kazuya Shiraishi, Suguru Yabe, Yoshio Fukao, Eiichiro Araki, Masataka Kinoshita, Yoshinori, Sanada, Seiichi Miura, Yasuyuki Nakamura, Shuichi Kodaira
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Journal Title
Earth Planets and Space
Volume: 73
Pages: 89
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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