2019 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌未開拓マクロライド生合成経路の再構築と再設計による新規抗生物質シーズの開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Complex Functional Molecules by Rational Redesign of Biosynthetic Machineries |
Project/Area Number |
19H04642
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 禎吾 東北大学, 薬学研究科, 教授 (60572310)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 天然物 / ポリケタイド / マクロライド / 生合成 / 糸状菌 / 異種発現 / ゲノムマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、糸状菌のマクロライド天然物に着目して、ゲノムマイニングと異種発現を基盤とする天然物探索を実施し、新規天然物、ならびに、新規生合成システムを発見することを目的としている。また、異種ホスト内で、様々な組み合わせで遺伝子を発現するコンビナトリアル生合成により、非天然型の化合物の生産も目指している。今年度は、コンビナトリアル生合成の材料を揃えるため、新規マクロライド生合成遺伝子クラスターの探索および異種発現による天然物創製を行なった。Arthrinium Phaeospermum、 Penicillium expansum、Macrophomina phaseolina、Aspergillus kawachii、Colletotricum incanumのゲノム上に見出したマクロライド生合成遺伝子クラスターを順次麹菌で異種発現させたところ、いずれのクラスターからも新規マクロライドが得られた。また、12, 16, 22, 24, 34員環と様々なサイズのマクロラクトン構造を構築する遺伝子セットを取得することができた。また、すべての化合物について、絶対配置を含めた詳細な構造を明らかにすることで、各HR-PKS加えてによるポリケタイド鎖生合成機構を明らかにした。マクロライドに対する修飾反応として、種々のP450に加え、ホスホコリンやホスホエタノールアミンをマクロライドに付加するユニークな修飾酵素を発見することができた。得られた新規マクロライドの中には、抗酸菌に対する抗菌活性を示す化合物を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上にバラエティーに富んだマクロライド天然物およびその生合成遺伝子の獲得できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ブレフェルジンAなどペニシリウム属糸状菌が生産するマクロライドにはユニークな炭素炭素結合を有するものが存在する。コンビナトリアル生合成で多様性を創出するにあたり、これらの生合成機構を明らかにし、それに関わる遺伝子を獲得する。また、アスペルギリド類はユニークなテトラヒドロピラン環を有しており。これらに関しても生合成機構の解明およびそこに関わる遺伝子を特定する。本研究で明らかにしたマクロライド生合成に関わる遺伝子を異種ホストないで様々な組み合わせで発現させた人工生合成経路を設計し、天然にはないマクロライド化合物の創製を目指す。
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[Journal Article] Synthetic-biology-based discovery of fungal macrolide from Macrophomina phaseolina.2020
Author(s)
Morishita, Y., Sonohara, T., Taniguchi, T., Adachi, K., Fujita, M., Asai, T.
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Journal Title
Org. Biomol. Chem.
Volume: 18
Pages: 2813-2816
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Post-genomic approach based discovery of alkylresorcinols from a cricket-associated fungus, Penicillium soppi2019
Author(s)
Kaneko, A., Morishita, Y., Tsukada, K., Taniguchi, T., Asai, T.
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Journal Title
Org. Biomol. Chem.
Volume: 17
Pages: 5239-5243
DOI
Peer Reviewed
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