2020 Fiscal Year Annual Research Report
理論計算を基盤とした生合成経路の探索と生合成リデザインへの挑戦
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Complex Functional Molecules by Rational Redesign of Biosynthetic Machineries |
Project/Area Number |
19H04643
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 真伸 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00271916)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 理論計算 / 生合成経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
多種多様な構造を持つテルペノイドは、テルペン環化酵素により基本骨格構築がされており、その反応機構の解明は分子多様性解明の鍵となる。しかしながら、酵素内部での複雑な連続多段階反応のため、中間体の単離や反応機構の全容解明は実験科学のみでは困難である。本研究では、異なる数種のテルペノイドの環化反応の計算科学・理論解析を通して構造多様性創出の原理(反応経路、選択性発現機構など)を明らかにし、実験化学者との共同研究を通じて遷移状態制御により新規セスタテルペン骨格構築への発展を目指し研究を行った。主な成果として、セスキテルペン化合物 Trichobrasilenol の生合成経路の解明について述べる。セスキテルペン類によく見られるbicyclo[4.3.0]nonane 構造は、「ブラシラン型骨格」と呼ばれ、40 年以上前に発見・報告されたにも関わらず、その生合成メカニズムはずっと謎のままであった。2020 年に本研究領域内の東京大学の葛山教授らにより、1,3-水素移動反応、3 箇所の CーC 結合の開裂、π結合の生成、水和反応という 6 個の化学反応が進行することが緻密な標識実験によって示されたが、この複雑骨格合成のための反応機構にはいくつかの疑問が残ったままであった。本研究では、我々が独自に開発した様々な理論的手法を駆使することで、ブラシラン型骨格の新たな生成メカニズムの提案に成功した。この反応機構は、標識実験の結果とも完全に合致し、また類縁体天然物の生合成も説明できる非常に合理的なものであった。他にも、セスタテルペン合成酵素の初期配座固定メカニズムの解明、Preasperterpenoid 類の反応機構解析、インドールジテルペン化合物 Lolitrem 生合成でのラジカル閉環反応の理論解析、海洋天然物シマラクトンにおける電子環状反応の理論解析にも成功した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)