2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation and structural redesign of microbial secondary metabolites through rational modification of metabolic pathways
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Complex Functional Molecules by Rational Redesign of Biosynthetic Machineries |
Project/Area Number |
19H04659
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒川 賢治 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (80346527)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二次代謝産物 / 生合成 / アゾキシアルケン / 放線菌 / ポリエンマクロライド / キノン要求性デヒドロゲナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
二次代謝制御系および代謝経路の合理的改変により取得した休眠二次代謝産物に注目し、生物活性の高機能化を指向した生合成リデザイン、ポリケチド化合物の骨格構築酵素の機能解析と構造多様化を行うとともに、制御系・生合成代謝系の合理的改変による二次代謝活性化の汎用性および悉皆的ゲノムマイニングの可能性を追究した。本年度は以下の2課題に専心した。 [課題1] アゾキシアルケン化合物KA57-A, maniwamycinの生合成マシナリーの先導的解明 Maniwamycin生産菌の次世代シークエンス解析を行い、KA57-Aおよびvalanimycinなどとの遺伝子相同性および網羅的遺伝子破壊を行い、関連遺伝子の絞り込みを行った。また、maniwamycin生合成に関し、標識化合物の取り込み実験を行い、窒素源についても明らかにした。 [課題2] ポリケチド化合物の骨格構築酵素の機能解析および構造多様化 S. rochei染色体のゲノム解析を遂行し、ゲノムマイニングで取得できたKA57-A, ポリエンマクロライドpentamycinの生合成遺伝子を特定した(Scientific Reports 2019)。また、ポリケチド化合物citreodiolsのC-2, 6位メチル基はS-アデノシルメチオニン由来であり、C-メチル基転移酵素を包含する3つのPKSクラスターに絞り込んだ。 我々はランカサイジン(LC)生合成において、キノン要求性デヒドロゲナーゼOrf23がC23-C25位のlactamideをpyruvamideへと酸化する酵素であることを明らかにしている。本年度はOrf23の汎用性拡張を遂行したところ、新規単環性ランカサイジン誘導体の酵素合成が達成出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[課題1] に関しては、現在共通性を見いだした遺伝子に関して網羅的遺伝子破壊実験を遂行中であり、該当アゾキシアルケン化合物の生産性が失われることを見いだした。親株との比較メタボロームにおいて、中間体もしくはshunt化合物の検出を行っている。 [課題2]に関しては、ゲノムマイニングにて取得できた化合物の生合成遺伝子の存在を次世代シークエンス解析により明らかにした。本成果は2019年7月に論文公表に至っており、今後の研究の推進方策にて記載した[課題4]の遂行に関する確かな指針を得た。 また、キノン要求性デヒドロゲナーゼを用いた新規ランカサイジン誘導体の創製に成功した。変換効率は正味の基質と比較して10%程度であるものの、誘導体生産に関しては酵素量の増加により解決できる。また、現在本酵素およびその他ポリケチド生合成に関与するユニークな生合成酵素に関して、本研究領域の公募班・森田洋行博士との共同研究によるX線結晶構造解析を遂行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる2020年度は、以下の項目を遂行する。 [課題1] アゾキシアルケン生合成マシナリーの先導的解明;前年度に引き続き以下の項目を遂行し、アゾキシ基形成反応に関与する遺伝子の絞り込みを行う。(1-1) azx, mwm, vlmクラスターにおける共通遺伝子の破壊株の代謝産物解析, (1-2) 推定生合成中間体の化学合成およびin vivo酵素変換反応。 [課題2] ポリケチド化合物の骨格構築酵素の機能解析および構造多様化;キノン要求性でヒドロゲナーゼやその他ポリケチド骨格形成酵素の結晶構造解析および生合成酵素を利用した生合成リデザインを遂行する。 [課題3] クオラムセンシング阻害活性の向上を目指したアゾキシアルケン化合物の生合成リデザイン;KA57-Aの炭化水素鎖 (C1'-C6') はC6であり、S. rocheiの中鎖脂肪酸の基質プールにおいて、C6化合物が優占的なのか、それとも合成酵素の基質認識が厳格なのか、は現段階では不明である。そこで、鎖長の異なるKA57-A誘導体を酵素合成により取得し、構造多様化およびクオラムセンシング阻害活性を調べる。 [課題4] 制御系・生合成代謝系の合理的改変による二次代謝活性化と生合成;本菌の染色体上には、PKSや非リボソーム性ペプチド合成酵素 (NRPS) など35個の二次代謝クラスターがコードされているが、現在までに単離同定した生理活性物質はKA57-A, ポリエン抗生物質ペンタマイシンなど4化合物のみである。本課題では、クラスターの異種発現もしくは転写リプレッサーの遺伝子変異を行い、未同定生理活性物質の取得を目指す。特に、ユニークな骨格および顕著な生理活性が期待されるC-P化合物(炭素原子とリン原子とが共有結合したもの)およびアミノサイクリトール含有オリゴ糖に注目する。
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[Journal Article] SrrB, a pseudo-receptor protein, acts as a negative regulator for lankacidin and lankamycin production in Streptomyces rochei2020
Author(s)
Yuya Misaki, Shouji Yamamoto, Toshihiro Suzuki, Miyuki Iwakuni, Hiroaki Sasaki, Yuzuru Takahashi, Kuninobu Inada, Haruyasu Kinashi, and Kenji Arakawa
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Journal Title
Frontiers in Microbiology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The genome sequence of Streptomyces rochei 7434AN4, which carries a linear chromosome and three characteristic linear plasmids2019
Author(s)
Yosi Nindita, Zhisheng Cao, Amirudin Akhmad Fauzi, Aiko Teshima, Yuya Misaki, Rukman Muslimin, Yingjie Yang, Yuh Shiwa, Hirofumi Yoshikawa, Michihira Tagami, Alexander Lezhava, Jun Ishikawa, Makoto Kuroda, Tsuyoshi Sekizuka, Kuninobu Inada, Haruyasu Kinashi, Kenji Arakawa
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 9
Pages: 10973
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Streptomyces rochei 7434AN4株の線状ゲノムの全塩基配列決定とその解析2020
Author(s)
Yosi Nindita, 稲田 晋宣, 曹 志生, Amirudin Akhmad Fauzi, 手島 愛子, 見崎 裕也, Rukman Muslimin, 楊 英杰, 志波 優, 吉川 博文, 田上 道平 Alexander Lezhava, 石川淳, 黒田 誠, 関塚 剛史, 木梨 陽康, 荒川 賢治
Organizer
日本農芸化学会2020年度大会(福岡)
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