2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of terpene synthases and its application to the synthesis of unusual terpenoids
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Complex Functional Molecules by Rational Redesign of Biosynthetic Machineries |
Project/Area Number |
19H04661
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30271513)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テルペン合成酵素 / 鎖状テルペン / 基質合成 / 反応解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
テルペン合成酵素は、ゲラニオール(C10)、ファルネソール(C15)、ゲラニルゲラニオール(C20)などの鎖状テルペン・ジリン酸エステルを基質とし、8万種以上に及ぶ多様な有機化合物を創出する生体触媒である。本研究では、長鎖テルペン合成酵素と好熱菌由来の新規テルペン合成酵素の機能解析のための基質合成と反応機構の解析と、テルペン合成酵素を用いて含窒素化合物を簡便に合成する基礎研究を計画した。これより、テルペン生合成酵素を用いた分子合成に関する基礎的知見を得るとともに、天然にはない化合物を合成する新たな道筋を開拓する。 2020年度の研究成果として、Bacillus alcalophilus由来の新規クラスIB, C35長鎖テルペン合成酵素について研究を進めた。まず、合成基質と酵素の複合体の構造を明らかにした。あわせて、変異酵素を用いた実験から活性に必須のアミノ酸配列を同定した。これらをもとに、酵素反応機構の詳細を明らかにした。 アブラナ科植物由来のC25テルペン合成酵素の機構解析研究を実施した。C25の鎖状テルペン基質を合成し、基質と酵素の共結晶構造を明らかにした。これより酵素触媒機構を分子構造レベルで明らかにした。これらの成果は2報の論文に発表した。 好熱菌由来の新規合成酵素の機能解明に向けて、トランスアンヒドロメバロン酸の合成を検討した。その結果、目的物を立体選択的に合成する経路を確立した。現在、合成基質を用いて酵素反応の詳細を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基質合成も順調であり上記の共同研究以外にも、新たな共同研究が進行中である。国内外での共同研究論文も報告できたことから、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
含窒素化合物の合成に関する基礎的な知見は得たものの、量的生産への展開が一部立ち遅れている。2020年度において機器設備の導入と強化を図ることで、成果創出を急ぐ。テルペン合成酵素の機能解析については、共同研究の数が増えたこともあり、順調といえる。酵素機能の解析が円滑になるよう、十分量の基質合成を進める。
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Research Products
(7 results)