2019 Fiscal Year Annual Research Report
単分子計測に基づく光圧下における分子の構造および電子状態の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Nano-Material Manipulation and Structural Order Control with Optical Forces |
Project/Area Number |
19H04673
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木口 学 東京工業大学, 理学院, 教授 (70313020)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 単分子接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、光圧下にある単分子の構造および吸着状態を決定する方法の開発を行い、電極間電圧や電極間距離を変えて光圧の大きさを変えた際の分子の状態変化を決定した。 光圧下にある単分子の状態決定は、単分子接合の表面増強ラマン(SERS)と電流-電圧特性(I-V)の同時計測により行った。同時計測を行うためには単分子接合の安定性が重要である。そこで安定性に優れるmechanically controllable break junction (MCBJ)法を用いてナノギャップを作製した。ベンゼンジチオール(BDT)、アミノベンゼンチオール(ABT)に適用することで、これまで不可能であった単分子の吸着構造の決定、分離、そして吸着構造の時間変化を捉えることに初めて成功した。 得られたSERSとIVを詳細に解析することで、単分子接合のカップリング強度、すなわち伝導度状態に応じて、分子の振動数が変化する様子が観測された。得られた振動数と伝導度の関係に基づき、モデル構造を仮定した理論計算との比較により、界面構造の決定を行った。その結果、カップリングの大きい順にbridge, hollow, atopであることが決定できた。SERSとIVを組み合わせることで初めて吸着サイトの構造変化を曖昧さなく決定することができるようになった。開発した装置を用いて、電極間電圧による吸着サイトの変化を検討した。その結果、BDT, ABTともに低バイアスではbridgeが主成分であるが、バイアスを上げるにつれてhollowサイトに移り変わっている様子が観測された。バイアス電圧を与えることでジュール加熱および電子の運動量の輸送による力(electron migration)の2つの効果によって、熱力学的に安定なbridgeサイトから、より抵抗の大きなhollowサイトに移り変わることが説明できた。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
[Journal Article] Identifying the Molecular Adsorption Site of a Single Molecule Junction Through Combined Raman and Conductance Studies2019
Author(s)
S. Kaneko, E. Montes, S. Suzuki, S. Fujii, T. Nishino, K. Tsukagoshi, K. Ikeda, H. Kano, H. Nakamura, H. Vazquez, M. Kiguchi
-
Journal Title
Chem. Sci.
Volume: 10
Pages: 6261-6269
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-