2020 Fiscal Year Annual Research Report
New optical and electronic properties designed by coordination engineering
Publicly Offered Research
Project Area | Synthesis of Mixed Anion Compounds toward Novel Functionalities |
Project/Area Number |
19H04688
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 大悟郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (80734780)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 複合アニオン / 酸塩化物 / 光学応答 / 多色性 / 量子磁性 / 遷移金属 / 次元低下 / 反転対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の異なる種類の陰イオン(アニオン)を含む遷移金属化合物では、遷移金属に複数種のアニオンが結合することで、反転対称性の破れる可能性が高くなる。このため、多くの場合、反転対称性によって光吸収が禁止される従来の単アニオン化合物と比べて、複合アニオン化合物は光に対する応答が強いと考えられる。遷移金属に結合するアニオンを選択し、積極的に結合の仕方を制御することで、革新的な光機能の実現が期待できる。また、結合したアニオンによって作られる複合アニオンにユニークな電子の軌道状態を利用して、単アニオン化合物では実現できない磁性や伝導性が発現すると考えられる。本研究では、申請者らが発見した、偏光に応じて光の吸収波長が変化する複合アニオン化合物Ca3ReO5Cl2 をモデル物質として、化学修飾と物性測定を行うことで、物性発現の機構を解明し、結合の積極的な制御による光機能・電子物性の設計指針を確立することを目的としている。 2019年度にCaサイトをBa、Sr、PbにClサイトをBrに化学置換した新規化合物の合成に成功した。また、これらの化合物に対する構造解析、光学測定、そして第一原理計算を行うことで、電子軌道状態の変化を明らかにした。2020および2021年度は、特に磁気的性質を集中的に検証した。合成した新物質もCa3ReO5Cl2 と同様に特定の電子軌道を電子が占有するため、磁気相互作用が軌道の形状に由来した強い異方性をもつことが明らかとなった。さらに磁性イオンが三角形状に配置することで磁気ゆらぎが増大し、スピン間には相互作用が働くにも関わらず磁気秩序が形成できないスピンの液体状態が実現することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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