2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Nitrogen-doped Mixed Anion Materials with Li+ Conductivity
Publicly Offered Research
Project Area | Synthesis of Mixed Anion Compounds toward Novel Functionalities |
Project/Area Number |
19H04705
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10364027)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リチウムイオン伝導体 / 複合アニオン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リチウムイオン伝導性を示す硫化物や酸化物へ窒素を添加することによって得られる様々な窒素含有複合アニオン系リチウムイオン伝導体を作製し、それらの導電率や成形性、化学安定性などの特性と構造の相関について調べることを目的としている。 本年度は、ガラスセラミックスのイオン伝導度が10-3 S/cm以上の高い値を示す70Li2S-30P2S5(Li7P3S11)組成をベースに、Li2SをLi3Nに置き換えた(70-x)Li2S-30P2S5-xLi3N (x= 0~20, mol%)の固体電解質を作製した。メカノケミカル法によって得られたガラスのイオン伝導度はLi3Nの増加に伴って増加した。x=20のガラスセラミックスにおいては、新規結晶相由来のパターンが観測された。Raman分光の結果から、この結晶相はPS4およびP2S7ユニットから構成されていることがわかった。その粉末成形体は室温で10-3 S/cm以上の高いイオン伝導度を示し、室温、相対湿度70%の大気にさらしても硫化水素の発生が少ないことから、硫化物への窒素導入によって、導電率と安定性を両立した電解質が得られた。 硫化物イオンとハロゲン化物イオンの両方を含む複合アニオン系材料の一つであるLi6PS5X (X = Cl, Br, I)は、アルジロダイト型構造をとり、結晶内に取り込まれるハロゲン種によってイオン伝導度が大きく異なることが知られている。そこで本研究では、Pよりもイオン半径が大きなSbを用いたLi6SbS5I電解質を新たに作製し、構造と特性について調べた。メカノケミカル処理後に熱処理して得られたLi6SbS5I試料はアルジロダイト構造をもち、Li3SbS4ガラスおよびガラスセラミックスよりも高い25°Cで2.1×10-6 S/cmのイオン伝導度を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
硫化物固体電解質の硫化物イオンの一部を窒化物イオンやヨウ化物イオンに置換した複合アニオン系材料を作製し、その導電率や成形性と構造の関係について調べてきた。特に窒素添加が特性向上に有効であり、導電率と安定性を両立した硫化物ベース組成を見出している。また硫化物イオンとハロゲン化物イオンの複合アニオン系電解質の組成探索も進めており、新規アルジロダイト型電解質が得られている。今後、様々な複合アニオン系リチウムイオン伝導体の探索へ展開可能な基本組成が見出されてきていることから、研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
アニオンとしての窒化物イオンの導入が、固体電解質の構造や特性に及ぼす影響を明らかにするために硫化物に限らず様々な固体電解質材料への窒素添加を行い、構造や物性について調べる。また複数のアニオンを組み合わせた多成分系電解質への展開を行い、アニオン複合化の効果を検証する。
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Research Products
(14 results)