2020 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン勾配の消費と生成のバランスをとる光化学系I-アンテナ複合体の構造基盤解明
Publicly Offered Research
Project Area | New Photosynthesis : Reoptimization of the solar energy conversion system |
Project/Area Number |
19H04714
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
河合 寿子 (久保田寿子) 山形大学, 理学部, 助教 (10599228)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光化学系I / 集光アンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は、PSI四量体を持つシアノバクテリアAnabaenaを用いて、クロロフィル含有蛋白質IsiAの発現条件およびPSIとの複合体精製条件の検討を行った。まず、鉄欠乏培養開始3、5、7日後に細胞をサンプリングし、77Kクロロフィル低温蛍光測定を行った。その結果、培養開始3日目から686nmに大きなピークが確認できた。これは、Synechocystisを用いた先行研究で報告されているIsiAのピークと一致することから、AnabaenaにおいてもIsiAが細胞中に発現していると考えられた。さらに、IsiA抗体を用いたウエスタンブロットを行い、IsiAの存在を確認した。また興味深いことに、フィコシアニンを励起すると、IsiA由来の蛍光が確認できたことから、細胞内では、フィコビリソームからIsiAに光エネルギー伝達が行われていることが示唆された。このIsiAを発現している細胞からチラコイド膜を精製し、可溶化後に密度勾配遠心法にて蛋白質複合体を分離した。得られた緑色のバンドを回収し、質量分析にて蛋白質同定を行った。その結果、PSIを含む画分にIsiAが含まれていることが明らかとなった。引き続き、このサンプルを負染色し電子顕微鏡画像を取得後、単粒子解析を行った。しかしながら、得られた像はPSIの四量体のみであった。PSI三量体-IsiA複合体構造では1分子のPSIあたり6分子のIsiAが結合すると報告されているが、Anabaenaにおいても1分子のPSIあたり複数のIsiAが結合すると考えられる。今回得られたサンプルではIsiAが不安定で解離しやすく、部分的に解離した状態であったために複合体構造が得られなかったと推測できる。今後はAmphipolなどを用いてIsiAが解離していない均一なサンプルを得ることを目指す。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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