2020 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of far-red light in thylakoid reactions
Publicly Offered Research
Project Area | New Photosynthesis : Reoptimization of the solar energy conversion system |
Project/Area Number |
19H04718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺島 一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40211388)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光化学系I / 耐陰性 / 遠赤色光 / 変動光 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠赤(色)光は、単独では光合成を駆動しない。また、定常光条件下では、遠赤光は光合成にほとんど影響を与えない。したがって、遠赤光の光合成への影響に関しては、ほとんど研究されてこなかった。われわれは、光合成を駆動できる波長域の光強度が頻繁に変化する変動光環境下において、遠赤光が光合成の効率を上昇させることを明らかにした。遠赤光による光合成速度促進効果は、吸収した光エネルギーの光合成による利用と過剰な光エネルギーの熱散逸の素早い切替えによって達成され、特に、変動光下で強光から弱光に切り替わった際に顕著であることが明らかになった(Kono et al. 2020)。弱光に切替わった際の熱散逸系の解消の遠赤光による促進には、チラコイド膜プロトン-カリウム対向輸送体(KEA3)が関与していることもわかった(論文改訂中)。 われわれは、遠赤補光が変動光による光化学系Iの光阻害回避に有効であることをすでに報告した。しかし、遠赤光が存在しなくても、弱光下で栽培したクワズイモなどの耐陰性植物の光化学系Iは、変動光に対して著しい耐性を示した。弱光栽培したクワズイモの耐性は、変動光中の強光時に光化学系 I への電子の流入量が少なく、光化学系 I に励起エネルギーが多く分配されることで、光化学系 I の反応中心P700が電子を失った酸化状態(P700+)となることによっている(Terashima et al. 2021)。 この他にも、フラッシュ閃光による光化学系II反応中心量の定量システム、遠赤光も考慮にいれた光合成量子収率測定システムの構築がほぼ完了した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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