2020 Fiscal Year Annual Research Report
軸索コンパートメントにおけるスクラップ&ビルド
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
19H04747
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久場 博司 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362469)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 軸索 / 神経活動 / 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞の軸索起始部(axon initial segment, AIS)は神経活動の生成部位であり、この分布が適切に形成・維持されることが脳神経回路の正常な動作に必要不可欠である。近年、このAIS分布の決定過程には、発達期の神経活動に依存した分布再編が関わることが分かってきた。従って、本研究では、脳幹の聴覚神経回路を対象に、このAIS分布の再編過程を聴覚入力との関連で調べることにより、AISでの活動依存的構造再編の分子機構を明らかにする。 これまでに活動依存的なAISの構造再編は細胞内Ca濃度の上昇によることを明らかにしてきた。従って、本年度は、さらにCa下流の細胞内シグナル経路について、切片培養標本を用いた検討を行った。高K液刺激によるAIS短縮に対する種々の阻害剤の効果を検討したところ、AC(DDA、SQ22536)、PKA(KT5720)、MEK(U0126、PD98059、AZD6422)、cdk5(Roscovitine)の阻害剤により短縮が阻害された。これに対して、ACの活性化剤(FSK)や膜透過型cAMP(8-br-cAMP)は、高K液刺激と同様のAIS短縮を生じた。これらの結果から、活動依存的なAISの短縮にはcAMPを起点としたシグナル経路が関与することが示唆された。一方、これまでにAISの構造変化前後の組織を用いたRNA-seq解析も行った。従って、本年度は、このRNA-seq解析とBirA法によるAIS局在分子解析の結果から、AISの構造変化に関わる可能性がある100個前後の分子の抽出を行った。さらに、これら抽出分子のノックアウトスクリーニングを行うために、予備実験としてAIS構成タンパク質であるankyrinGとNF186のノックアウトを行い、AISが消失することを確認した。今後、この効果を電気生理学的にも解析する予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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