2020 Fiscal Year Annual Research Report
海馬苔状線維シナプス・局所神経回路のスクラップ&ビルド
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
19H04760
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
坂場 武史 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、げっ歯類海馬苔状線維シナプス前終末におけるcAMP依存性の伝達物質放出量増大のメカニズムを調べた。電気生理学的な測定と超解像光学顕微鏡を組み合わせた結果、シナプス前終末のCaチャネルクラスターが終末内cAMP濃度上昇後数分以内で拡大することを見出した。Caチャネルの集積によって局所Ca濃度が上昇し、これによって伝達物質放出量が増大することを見出した(Fukaya et al., 2021, PNAS)。従来から考えられていたような、 伝達物質放出の終末内Ca依存性の亢進、あるいはCaチャネルと伝達物質放出部位の位置関係の変化(短縮)がcAMP依存性可塑性の分子細胞メカニズムである、という考え方とは異なる新たなメカニズムであると考えられる。また、シナプス前終末内のCaチャネルが、これまで考えられてきたように素早く安定した伝達のために終末膜上で位置が固定されているのではなく、少なくとも一部は、可塑性時に動的である可能性が示唆された。つまり、Caチャネルクラスターの大きさがシナプス前性可塑性の標的となる可能性を示している。換言すれば、Caチャネルクラスターがミクロ的な"スクラップ&ビルド"の対象となることを示している。今後はこのような比較的素早く起こるcAMP依存性可塑性メカニズムが生理的にどのような条件下でおこるかを調べる必要がある。 この研究以外にも、共同研究を通して、疾患モデルマウスの解析を海馬苔状線維シナプスを標本として行った。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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