2020 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of extrinsic signals in the fate of neural progenitor cells in the developing neocortex
Publicly Offered Research
Project Area | Interplay of developmental clock and extracellular environment in brain formation |
Project/Area Number |
19H04769
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞田 佳門 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50431896)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大脳新皮質 / セロトニン / 神経前駆細胞 / 神経細胞 / 神経細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳新皮質の形成過程において、神経前駆細胞は脳室を取り囲む領域(脳室帯)に限局して存在する。大脳新皮質形成の初期段階では、神経前駆細胞は自己複製してその数を増やす。一方、発生が進むのに伴って神経前駆細胞は、神経細胞を生み出す。このようにして誕生した神経細胞は、脳の表層側に向かって移動し、最終目的地において成熟する。このような一連のプロセスは、細胞内外のシグナルによって巧妙に調節されている。 本研究では、細胞外シグナルの候補分子としてセロトニンに着目した。私共はこれまで、発生初期の胎仔の前脳にはセロトニンが存在し、母マウスの血中セロトニン量を低下させると、胎仔の前脳セロトニン量が低下すると共に、前脳が小さくなることを見出した。また前脳の大脳新皮質において、神経前駆細胞数が顕著に減少していることが明らかになった。脳発生初期には神経前駆細胞が盛んに自己複製していることを考え合わせると、『母親由来セロトニンが神経前駆細胞のセロトニン受容体を介して自己複製を促進し、正常な脳形成に寄与している』可能性がある。このことを検証するため、培養した神経前駆細胞を用いて、セロトニンの役割を精査した。その結果、セロトニンの投与によって、神経前駆細胞は神経分化しにくくなることが判明した。以上の結果、母親由来のセロトニンによって、神経前駆細胞は神経分化モードから自己複製モードへと変容し、その結果、神経前駆細胞数が増大すると推察できた。 他方、神経細胞移動の調節についても、細胞内外のシグナルが重要な役割を果たす。本研究により、AMP依存性キナーゼが神経細胞移動に大きく寄与していることを見出した。さらに、移動中の神経細胞において、ダイニンモーターをリン酸化することによって、神経細胞の移動に寄与することが判明した。これら解析により、従来知られていなかった細胞内外のシグナル経路が明らかになった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)