2019 Fiscal Year Annual Research Report
Brain size control by intrinsic splicing clock that links biological time and extrinsic cues
Publicly Offered Research
Project Area | Interplay of developmental clock and extracellular environment in brain formation |
Project/Area Number |
19H04774
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森 雅樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10602625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 年齢依存的オルタナティブスプライシング / 若年性遺伝子 / Srsf7 / 代謝 / 脳発達 / 成長不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、中枢神経系である脳の構築過程において生理的な役割を果たす生体メカニズムを解明することにより、脳の形態形成メカニズムの新規発見および重篤な脳機能障害などの疾患治療への応用を目指した。 当初の計画に盛り込んでいた動物モデル (マウス) における網羅的遺伝子発現 (トランスクリプトーム) 解析を施行し、脳の発達に伴って生じる遺伝子発現パターンの変化をバイオインフォマティクス解析を加えることにより同定した。特にメッセンジャーRNAの年齢依存的なオルタナティブ・スプライシングについて、定量的な解析をゲノムワイドに行い、脳発達期に特異的なスプライシングバリアントを多数同定した。この知見は、生後の成長過程においてもスプライシングのパターンが変化することを示すもので、世界的にも類を見ない新規の知見である。 詳細なバイオインフォマティクス解析の結果、同一タイプの細胞群でも異なるパターンのスプライシングが併行して進行することが示唆された。オルタナティブ・スプライシングを受ける標的遺伝子には、重要な代謝酵素であるRBM7やEIF4A2が含まれ、発達期に生じる脳の成長を司る分子メカニズムの同定に成功した。さらに重要な機能分子として同定したSRSF7がRBM7およびEIF4A2のpre-mRNAに結合し、スプライシングの直接的な標的とすることを、試験管内で再構成したin vitro splicing系において実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で盛り込んだ実験内容について、実験結果を得ることができた。次年度の計画に順調につなげることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
特定された分子メカニズムの細胞レベルおよび動物個体レベルでの重要性を検証するため、樹立したSrsf7ノックアウトマウスの詳細な解析を施行する。細胞および臓器でのトランスクリプトームおよび動物組織学解析を施行することにより、これまでに得られている知見の一般性を検証し、さらに詳細な分子メカニズムの特定につなげる。
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Research Products
(6 results)