2019 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロンの四つの移動モードの数理・計算モデルの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Interplay of developmental clock and extracellular environment in brain formation |
Project/Area Number |
19H04780
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
今井 陽介 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60431524)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算生体力学 / ニューロン / 計算力学 / 生体流体力学 / 細胞運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,大脳新皮質を構成する興奮性ニューロンの四つの移動モードに対する数理モデルを開発し,大脳新皮質の形成過程を数値解析するための基盤技術を構築することである.大脳新皮質のインサイドーアウト構造の形成にはリーリンと呼ばれる分子が必要であり,リーリンはニューロンの四つの移動モード全ての制御に関わっていることが分かっている.ここでは,リーリンによる細胞骨格分子,細胞接着分子の制御に着目し,その効果を細胞骨格分子の重合・脱重合速度の変化,あるいは細胞接着分子の結合・離脱速度の変化としてモデル化する.大規模な数値解析によって,これらのパラメータの変化とニューロンの形態・挙動の変化との関係を力学法則に基づき定量的に理解する. 2019年度は,液滴の細胞力学モデル,細胞接着分子のリガンド‐レセプタ結合モデルを連成する計算モデルを開発した.具体的には,格子ボルツマン法とフェイズフィールド法を用いて二相流の計算を行い,スリップボンドに基づくリガンド‐レセプタ結合モデルをモンテカルロ法を用いて計算し,これらを連立した.細胞の力学に対しては,超弾性を考慮できるようにオイラー型の流体構造連成計算手法を試験的に導入した.また,重合・脱重合速度を導入した細胞骨格モデルの開発を進めている.さらに,開発した計算モデルの検証のため,二光子顕微鏡を用いた細胞の三次元ライブイメージングを実施し,細胞接着タンパクと細胞骨格タンパクの変化によって細胞が変形する過程の三次元像を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞の力学と細胞の接着を連立する計算モデルの開発が完了し,細胞骨格と連立するところまで開発が進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでに開発した計算モデルに重合速度・脱重合速度を導入した細胞骨格モデルを連成し,multipolar migration,somal translocation,locomotion を再現する計算モデルを開発する.
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