2020 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞レパトア選択における胸腺ネオ・セルフ抗原の意義
Publicly Offered Research
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
19H04802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新田 剛 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (30373343)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | T細胞 / 胸腺上皮細胞 / MHC / 抗原ペプチド / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
T細胞の抗原認識レパトアは、胸腺内に提示された自己ペプチドの認識にもとづく正の選択と負の選択を通して形成される。胸腺の皮質では、皮質上皮細胞に特異的に発現する胸腺プロテアソームとリソソームプロテアーゼによって生成される自己ペプチドが、T細胞の正の選択に重要である。これらのペプチドは他の体細胞には存在しないため、いわば「非自己」としての性質を有すると考えられるが、それらが正の選択を制御する分子基盤は未だ明らかになっていない。本研究では、胸腺の皮質特異的な自己ペプチドがT細胞レパトア選択を制御する原理の解明に挑戦する。 胸腺プロテアソーム触媒サブユニットb5tを欠損するマウスでは、胸腺で生成されるCD8 T細胞数が著しく減少し、CD8 T細胞中にアポトーシスを起こした細胞が増加していた。TCRレパトア解析の結果、b5t欠損マウスの胸腺CD8 T細胞ではおよそ半分のTCRクローンが失われることがわかった。b5t欠損マウスで減少したCD8T細胞数は、アポトーシス実行因子Bimの欠損によって野生型マウスと同程度まで回復した。しかし、b5t/Bim二重欠損マウスでは、失われたTCRクローンはひとつも回復しなかった。従って、b5tによって生成される自己ペプチドは、CD8 T細胞を「生み出す」過程(正の選択)を制御しており、この過程にアポトーシス(負の選択)は関与しないことが示唆された。また、b5t依存性/非依存性を決定づける(胸腺特異的自己ペプチドとの相互作用に重要な)TCR CDR3領域内のアミノ酸残基を特定した。現在、CDR3領域の立体構造にもとづいて自己ペプチドの構造を推測する解析を進めている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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