2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses on virus symbiosis mechanism inside and outside of protozoa.
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-virology: the raison d'etre of viruses |
Project/Area Number |
19H04824
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 東北大学, 農学研究科, 教授 (30401178)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原虫 / ウイルス / 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
原虫を電子顕微鏡で観察すると、その細胞質内にウイルスのビリオン様の構造体が観察されることが多数報告されてきた。しかしながら、原虫の細胞質内に共生していると考えられるこれらのウイルスが、原虫の増殖や生存に関与しているのか、また、どのような複製機構をとっているのかは全く不明であった。一方で、宿主の特定の臓器、組織に原虫とともに寄生、感染しているウイルスもみられる。この場合は原虫の内部ではなく、外部でウイルスと原虫が混合感染、あるいは共生感染している。ウイルスと原虫は、互いにその共生感染状態の中で影響を与え合い、それぞれが単独での感染の表現型とは異なる感染形態をとり、共存共栄を果たそうとする。本研究の目的は、モデルとしてクリプトスポリジウム原虫とこの内部共生及び外部共生ウイルスを研究対象とし、原虫内部での共生と外部での共生感染でのウイルスの存在意義を解明することである。 本年度は、以下の項目について研究を実施した。 1)環境生態系におけるCSpV1の疫学調査 糞便サンプルからクリプトスポリジウムのオーシスト(虫卵)の精製を行い、クリプトスポリジウム原虫に内部共生しているdsRNA virusであるCryspovirus (CSpV1)の遺伝子を基に系統樹解析を行った。原虫の遺伝子を用いた系統樹と比較し、サンプルの回収地域と系統樹との相関性を検討することで、共生しているウイルスから系統樹を作成することの優位性について検討した。 2)原虫におけるCSpV1の局在と複製機構の解明 CSpV1のRdRp あるいはCPに対する抗体を作製し、虫体内におけるウイルス蛋白質の発現解析とIFAによる虫体の局在解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初計画していた環境生態系におけるCSpV1の疫学調査と原虫におけるCSpV1の局在解析を行ったため、おおむね順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の2つの研究項目について解析を行う。 1)農場におけるクリプトスポリジウムの外部共生ウイルスの網羅的解析 2)実験室におけるロタウイルスとクリプトスポリジウムの外部共生の実証試験
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Research Products
(9 results)