2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analyses of host cell cortex in budding process of human immunodeficiency virus
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-virology: the raison d'etre of viruses |
Project/Area Number |
19H04830
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ヒト免疫不全ウイルス / ライブセルイメージング / 細胞骨格 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1:HIV出芽過程に関与する宿主表層骨格タンパク質の同定 これまでに、Gagが形成するウイルス様粒子 (Gag VLP) にF-BARドメインを持つタンパク質が共局在することを見いだしている。このF-BARタンパク質にTurboIDを融合させたものをCOS7細胞に発現させ、粒子周辺のタンパク質をin vivoでビオチン化し、質量分析器でタンパク質を同定した。得られた候補の中から20種類を選び出し、cDNAをクローニングした後にタグを付加して培養細胞に発現させ、以下の結果を得た。i) 培養細胞のlysateを用いたpull-downアッセイにより、F-BARドメインタンパク質と相互作用するタンパク質を7種同定した。ii) HIV Gagのp6ドメインに対する結合を同様のPull-downにより検証したところ、i)とは異なる5種のタンパク質で相互作用を確認した。iii) 候補タンパク質をCOS7, HeLa, HEK293Tの細胞に過剰発現させ、培養液中に放出されたGag VLPを定量したところ、3種のタンパク質で増加、2種で減少を確認した。 課題2:HIV出芽過程に関与する宿主表層骨格タンパク質の構造・機能・動態解析 課題1のi), ii), ii)でポジティブな結果が得られたタンパク質に関しては、共焦点顕微鏡や、高速AFMを用いてライブセル観察し、VLP出芽時のタンパク質局在と細胞膜の形態変化を可視化・解析した。これまでに、VLPと共局在するものを含め、VLP内部にまで取り込まれるものや、出芽時のみに共局在し、VLP内部には取り込まれないものを同定することに成功している。このことは、出芽の異なる段階で異なる宿主タンパク質が機能していることを示す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1に関しては、概ね順調に成果が得られている。BioIDで同定されたタンパク質中から20種を選び出し、実際の相互作用をPull-downアッセイで検証した実験では、半分近くのタンパク質で、TurboIDを付加したBARドメインタンパク質との直接相互作用を確認できただけでなく、Gagタンパク質と相互作用するタンパク質も5種同定することができた。これは、期待以上の成果である。一方で、これらのタンパク質の過剰発現やノックダウンがVLPの生成やウイルスの増殖に及ぼす影響を調べる実験では、宿主の細胞により大きな差が見られたため、さらなる実験を要することが明らかとなった。 課題2に関しても、概ね順調に進行しており、生細胞内でのウイルスタンパク質と宿主タンパク質を同時に観察することにより、そのダイナミックな集合過程を可視化することに成功している。一方で、予定されていた海外および国内研究機関との共同研究は、年度末の渡航規制等により停滞している。
|
Strategy for Future Research Activity |
BioIDにより同定し、Gag VLPとの共局在が顕微鏡等で確認されたタンパク質でも、ウイルスの増殖に明確な影響が見られない場合もいくつか見られた。これに関しては、宿主として用いる培養細胞種に大きく依存することを見いだしており、内在性のタンパク質量等を定量化した上でより詳細に解析する必要がある。また、これまで培地中に放出されるウイルス粒子を定量していたが、細胞間伝搬の可能性を示唆する結果が得られており、この経路での分子機構を明らかにする事ができれば大きな発見に繋がると期待できる。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Cdk1-mediated DIAPH1 phosphorylation maintains cortical tension during metaphase, which regulates inactivation of the spindle assembly checkpoint at anaphase onset.2019
Author(s)
K. Nishimura, Y. Johmura, K. Deguchi, Z. Jiang, K.S.K. Uchida, N. Suzuki, M. Shimada, Y. Chiba, T. Hirota, S.H. Yoshimura, *K. Kono and *M. Nakanishi
-
Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 10
Pages: 981
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-