2020 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞技術及び患者臨床情報を用いた精神疾患の治療薬応答性の個性創発機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04909
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (00447335)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 統合失調症 / 治療抵抗性 / クロザピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自の臨床情報を保持し、クロザピン応答性が異なる患者群に注目し、研究代表者らが開発してきた最新のiPS細胞関連技術により作製済みの患者神経細胞を用いて、クロザピン応答性の相違(効果有り5名、無し5名)に関わる神経機能の分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。また、「iPS細胞の初期化するという特性」を利用して、クロザピン応答性に関わる分子メカニズムの個人差が生まれるメカニズムを明らかにすることが目標である。本年度は、以下の成果を得た。 クロザピン応答性が異なる患者群に注目し、iPS細胞関連技術により作製済みの患者神経細胞を用いて(iPS細胞を疾患発症後の状態(個性創発後)を反映していると考えられる成熟神経細胞に分化させている)、シナプス機能の電気生理学的解析を実施した。その結果、クロザピンに応答する患者由来の神経細胞のものに比べて、治療抵抗性患者由来の神経細胞では、自発性微少興奮性シナプス後電流の頻度が高いことや振幅が大きいことを示唆する結果を得た。また、我々の培養方法では自発性微少抑制性シナプス後電流を記録することができなかったことから、本年度に得た結果については、興奮性神経細胞のみの培養におけるものであることが示唆された。興奮性シナプス伝達を担っているAMPA受容体の発現量については患者間で顕著な差が観察されなかった。これらの結果により、シナプス機能の微妙な調節機構の違いが、クロザピンへの応答性の個人差(個性)に関与していることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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