2019 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的なストレス耐性の個体差を担う神経基盤の全脳解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04910
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勢力 薫 大阪大学, 薬学研究科, 招へい教員 (90802918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イメージング / ストレス耐性 / 社会的敗北ストレス / うつ / 個体差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ストレス暴露により顕在化するストレス耐性の個体差情報をマウスの行動変化を指標として取得し、ストレスを受ける以前の潜在的な脳機能・神経活動の個体差との相関から、個体ごとに異なる潜在的なストレス耐性の創発機構を捉える解析法の構築を目指している。慢性社会的敗北ストレスモデルを用い、ストレスを受ける以前の定常状態におけるストレス感受性について、神経活動変化を指標として脳全体で網羅的に解析するため、本年度は、FosTRAP2マウス(最初期遺伝子Fosの遺伝子座に薬物誘導型Cre組換え酵素をノックイン)を用いて、細胞の標識条件を検証した。本マウスと、Cre依存的に赤色蛍光蛋白質tdTomatoを発現するマウスを交配したダブルトランスジェニックマウスに、4-ヒドロキシタモキシフェンを投与し、社会的敗北ストレスを経験した際に活動する細胞の標識を試みた。標識から1週間後よりも2週間以降に組織固定を行う方が蛍光強度が大きくシグナル/ノイズ比が向上する傾向が認められた。社会的敗北ストレスにより、視床下部室傍核など複数の領域において、tdTomato陽性細胞が認められたことから、刺激依存的な標識ができていると考えられる。 また、当初の予定よりもFosTRAP2マウスを用いた活動・行動のデータ取得に時間を要することが予想されたため、全脳領域における蛍光標識細胞の定量的に比較解析法について、既に取得済みであったFos-EGFPマウスの画像データを用いて確立を行った。これにより、Allen Institute for Brain Scienceの提供する標準脳データにレジストレーションし、同機関が領域を分類したsummary structure 315領域に分割した解析が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、FosTRAP2マウスを用いた、ストレス刺激依存的な細胞標識の条件が確定し、本マウスを用いた社会的敗北ストレスモデルの作製および全脳イメージングに着手した。また、画像解析用のデータ準備に時間を要することが予想されたが、既に保有している全脳画像データを用いることで、FosTRAP2マウスの解析に応用可能な比較解析法の確立が進んだことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、FosTRAP2マウスを用いた解析を進めつつ、新たに確立できた全脳領域の定量的比較解析法を用いて、さらに各脳領域の蛍光標識細胞数に基づく多変量解析などの解析への応用性を検証し、特徴的な変化を示す脳領域の絞り込み方法等を決定する。
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[Presentation] ASD-associated de novo POGZ mutations disrupt cortical development2019
Author(s)
Matsumura K, Seiriki K, Nagase M, Ayabe S, Yamada I, Furuse T, Yamamoto K, Kitagawa K, Baba M, Kasai A, Ago Y, Hayata-Takano A, Shintani N, Iguchi T, Sato M, Yamaguchi S, Tamura M, Wakana S, Yoshiki A, Watabe MA, Okano H, Takuma K, Hashimoto R, Hashimoto H, Nakazawa T
Organizer
Neuroscience 2019
Int'l Joint Research