2020 Fiscal Year Annual Research Report
脳が進化により獲得した遺伝子による多様な個性形成メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04911
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 有樹修 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60741519)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 個性 / long non-coding RNA / ポリペプチド / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
個性は様々な生物種で確認されているが、進化による複雑かつ多様な個性の獲得には、脳の進化が重要である。すなわち、脳の進化に関与する遺伝子の同定は、多様な個性形成メカニズムの解明へと繋がると考えられる。Long non-coding RNA(lncRNA)は、進化により爆発的にその種類が増加しており、さらに脳特異的に発現しているものが非常に多いことから、進化による個性の多様性獲得に重要な役割を担っている可能性が高い。また、われわれはこれまでにlncRNAに存在する小さなORFが翻訳されている事例を発見している。これらポリペプチドも脳特異的に発現して、哺乳類などの進化の後期から出現するものが多いことから、進化的に哺乳類以降のみに存在し、脳特異的に発現するポリペプチドの解析を行うことにより、進化による多様な個性形成メカニズムを解明することを目的とする。 これまでに2種のポリペプチド候補を同定しており、これらはいずれも脳特異的に発現して、進化的に哺乳類以降から存在するものであった。それらに関して、FLAGタグ配列をノックインしたマウスの作製を行い、ウエスタンブロットにより新規ポリペプチドが間違い無く翻訳されていることを確認した。さらに、新規に同定した2種のポリペプチドのノックアウトマウスを作製した。ノックアウトマウスは生存可能で、明らかな発生異常は示さなかった。そこで次に、これらノックアウトマウスの脳を用いてRNA-seq解析及びGSEA解析などを行ったところ、様々なシグナルパスウェイが変化していた。さらにノックアウトマウスの行動解析を行ったところ、これらノックアウトマウスは様々な行動異常を示した。 これらの結果より、これら新規ポリペプチドは哺乳類以降における脳の高次機能の進化や調節に重要な役割を担っていることが考えられ、個性の多様性の増加などにも寄与していることが予想される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)