2020 Fiscal Year Annual Research Report
アリの行動変異をもたらす社会的・遺伝的メカニズムと個体差の適応的意義
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04913
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡田 泰和 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (10638597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会生物学 / 個性 / 行動変異 / 表現型可塑性 / 社会性昆虫 / カースト分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
トゲオオハリアリは単型のアリで,カースト役割がサイズによって決まっておらず,原始的な社会行動を示 すアリである.本種では順位によって最上位(アルファ)個体が女王に,他の個体が不妊のワーカーの役割をする.女王やワーカーへの分化を引き起こす遺伝子はカースト特異性に加えて,その発現部位や発現時期を知ることが,生理学的理解とつなげる上で非常に重要である.RNAseqを用いた解析から,脳に加えて脂肪体という昆虫の栄養代謝および貯蔵にかかわる組織が生理的分化に重要な役割を果たす点に注目した解析を進めている. これまで,2つのコロニーについて全個体(50-80匹)の活動性や行動パターンを画像解析によって定量化したのち,全個体の脳と脂肪体を取り出し,RNAseqに供した.また,Chromium法を用いたIlluminaでのゲノムシークエンスからドラフトゲノム情報を得ており,アノテーションの充実を図っている.現在,カースト特異的遺伝子の洗い出しやアノテーションの洗練作業を進めている. このほかに,コロニーレベルでのトゲオオハリアリの個体間相互作用ネットワークの解析や(日周)活動性の解析を行い,個体間での行動の違いや,それを生み出す日齢や生理的差異について成果が得られている.具体的には,日齢が同一クラスのアリたちの中にも活動性が高く,多く外勤活動をとるものから,あまり動かないものまで変異があることをトラッキングとネットワーク解析により見出した.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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