2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neural networks underlying individual differences in sensitivity to others' reward in the macaque brain
Publicly Offered Research
| Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
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| Project/Area Number |
19H04920
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| Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
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Principal Investigator |
則武 厚 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (80407684)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 報酬 / 自己および他者 / 社会的条件づけ / 自閉スペクトラム症 / 遺伝子変異 / 霊長類 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
新学術領域「個性」創発脳領域では、個性の創成意義の探求やメカニズム解明を試み、ヒトを含む動物に共通したモデルの確立を目的としている。この目的達成達成のため、ヒトに近縁のサルを用い、神経機構レベルで個性の一要因となる自己と他者への報酬に対する感受性の差に焦点を当て、自己および他者の報酬に対する感受性の違いを個性と定義し、その神経基盤となる神経機構を調べた。
本年度は、サル２頭を同時に用いる社会的条件づけを行い、計画通り、内側前頭前野 (medial prefrontal cortex, mPFC) および中脳ドーパミン (dopamine, DA) 神経核から神経細胞活動の同時記録を行い、統計的に十分な数の単一神経細胞活動および局所電場電位データを得た。局所電場電位の時系列解析結果から、中脳DA神経核-mPFC間において δ・θ帯域のコヒーレンスの低下が認められ、mPFCから中脳DA神経核というトップダウンの神経情報の流れが確認された。その後、mPFCの神経活動を薬理学的に操作し、中脳DA 細胞における自他の報酬情報に対する感受性を確認する予定であったが、実験動物が急死したため、当初の実施実験計画の変更を余儀なくされた。この対応として、現在、社会的条件づけの履歴を持つ別のサルに対し、再度条件づけを行っている。さらに、次年度実施予定内容を繰り上げ、自閉症スペクトラム症に関する遺伝子変異を持つサル1個体に対して、社会的条件づけを行い、遺伝子変異を持たないサルに比べて、連合学習が遅いこと、また学習時に他者の顔を見ないことを明らかにした。これらの点を確認したうえで、中脳DA神経核およびmPFCの同時記録を開始した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、サル2頭を同時に用いる社会的条件づけを行い、計画通り、内側前頭前野 (medial prefrontal cortex, mPFC) 細胞および 中脳ドーパミン (dopamine, DA) 神経核細胞の神経活動の同時記録を行って統計的に十分な数の単一神経細胞活動および局所電場電位のデータを得た。局所電場電位のコヒーレンス解析から、中脳DA神経核-mPFC間において δ・θ帯域のコヒーレンスの低下が認められ、mPFCから中脳DA神経核というトップダウンの神経情報の流れが確認された。その後、mPFCの神経活動を薬理学的に操作し、中脳DA 細胞における自他の報酬情報に対する感受性を確認する予定であったが、実験動物（サル）が急死したため、当初の実施実験計画の変更を余儀なくされた。この対応として、現在、社会的条件づけの履歴を持つ別のサルに対し、再度条件づけを行っている。さらに、次年度予定を早め、自閉症スペクトラム症に関する遺伝子変異を持つサル個体に対して、社会的条件づけを行った。その結果、遺伝子変異を持たないサルに比べて、連合学習が遅いこと、また学習時に他者の顔を見ないことを明らかにした。これらの点を確認したうえで、中脳DA神経核およびmPFCの同時記録を開始した。
以上から、進捗状況は予定通りにいかなかったためやや遅れているが、2020年度の予定を前倒しにして対応した。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の予定通り、自閉スペクトラム症に関する遺伝子変異を持つサル個体の神経活動のデータを集める。遺伝子変異を持たない個体のデータと比較して報酬ドメインにおける自閉スペクトラム症に関する遺伝子変異を持つ個体の神経応答特性を明らかにする予定である。可能であれば、再度社会的条件づけを行っているサルに対し、本年度の計画であったmPFCの神経活動を薬理学的に操作する実験を実施する。
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