2020 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚の神経領域規定におけるBMPシグナリングのメカノレギュレーション
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
19H04948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
道上 達男 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10282724)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞張力 / BMPシグナリング / 外胚葉パターニング / アフリカツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の概要は以下の通りである。①これまでに、ツメガエル胚から切り出した外胚葉領域に伸展刺激を加えた時Smad1のリン酸化が亢進されることを見出している。伸展刺激によるBMPシグナル亢進の影響は,数時間に限られるlことが明らかになった。また、一部領域だけにBMPインヒビターchordinを注入した外胚葉片に伸展刺激を加えると、注入領域-非注入領域の境界で異所的にBMPシグナルが亢進することを見出した。②伸展刺激を加えることによる外胚葉マーカーの発現変動を改めて調べた結果、特に神経堤マーカー遺伝子であるFoxD3の発現が、顕著に亢進することを初めて見出した。この亢進の度合いは、原腸胚期の前半に刺激を与えた方が大きいこと、また伸展刺激後3時間ほど経過すると、刺激の影響が減少することを見出した。また、Wnt経路の標的遺伝子であるaxin2の発現も亢進することから、Wntシグナルも伸展刺激の影響を受ける可能性が示唆される。③神経外胚葉と表皮外胚葉での硬さの違いを生み出す原因を探るため、chd注入領域、非注入領域間で細胞形状に違いが出るかどうかを調べた結果、chd注入領域の細胞の面積が小さいことが明らかとなり、このことが神経外胚葉における組織の硬さを生み出していることが示唆された。ただ、当初は組織そのものの変形度合いに差が生じると考えていたが、現在のところそれを支持する結果は得られていない。④ヒトiPS細胞(201B7株)を用い、nogginとTGFβ阻害剤添加により神経板・神経堤・プラコードへの分化系を構築した。この系を用い、分化中期の細胞にチャンバーによる伸展刺激を加えたところ、興味深いことにプラコードマーカー遺伝子の発現が亢進することを見出した。一方Smad1のリン酸化については、両者で明確な差は見いだせていないが、観察の時期などの検討が更に必要であると考えている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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