2020 Fiscal Year Annual Research Report
動的構造平衡情報に基づく数理解析によるGPCRのシグナル制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
19H04951
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (20451859)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GPCR / NMR / 膜タンパク質 / 交換モンテカルロ法 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、前年度までにNMR法を用いて構築した、b2アドレナリン受容体の不活性型・部分活性型・活性型の構造平衡のモデルに対して、先行論文で報告されているGタンパク質の活性化および不活性化の数理モデル、GRKによるリン酸化とアレスチンの内在化の数理モデル、cAMPの生成およびPKAとPDEによるフィードバック阻害の数理モデルを組み合わせて、GPCRシグナルの数理モデルを構築した。 次に、前年度までに開発した交換モンテカルロ法のプログラムを使って、b2AR発現細胞に作動薬を添加した時のcAMP濃度の経時変化をシグナルの様々な箇所に阻害がかかった条件で観測した文献値が再現できるように、構築した数理モデルに含まれるパラメータを網羅的に探索して、ベイズ推定により最適値と誤差を算出することを試みた。その結果、構築した数理モデルに含まれるパラメータの数が49個と多いため、ベイズ推定を行うのに十分な量の計算を行うことが困難であった。そこで、交換モンテカルロ法のプログラムの改良を試みたところ、並列計算の手法を導入することにより、計算速度を5倍以上上昇させることに成功した。高速化したプログラムを使って数理モデルに含まれるパラメータを網羅的に探索した結果、各パラメータの最適値および誤差を得ることに成功した。得られたパラメータを使って、各種阻害がかかった条件におけるcAMP濃度の経時変化を計算した結果、計算値が実験値と良く対応することが示された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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