2020 Fiscal Year Annual Research Report
Aktの光操作を利用したインスリンシグナルのトランスオミックス解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
19H04952
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 岳昌 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40302806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インスリンシグナル / AKT / ERK / オミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
AKT活性に摂動を加えた際の多階層オミクスシグナルネットワークを構築した.まず,AKT特異的な活性化法である光活性化AKT系を用い,インスリン刺激した場合およびAKT特異的活性化した場合の多階層オミクスデータを取得し,それらを統合することでネットワーク化を行った.構築したシグナル伝達ネットワークを比較することで,AKTの活性化により惹起されるシグナル伝達経路を特定した.結果,インスリン刺激とAKT特異的な活性化では全体的に制御される代謝反応は類似していた一方で一部の代謝経路はAKT特異的な活性化では惹起されないことが明らかとなった.阻害剤を組み合わせた生化学的実験により,これらAKT特異的な活性化では惹起されない経路に関してもAKTの活性が必要であることを明らかにした.以上の結果から,インスリンによる代謝制御にはAKTのみに依存している経路とAKT以外の経路の活性化が必要となる経路とが存在することを明らかにした.さらに,インスリンによる代謝制御を担うAKT以外のシグナル伝達を解明するため,ERK特異的な活性化法を開発した.光によるERK活性化の分子機構をモデル化し実験値に基づくパラメータ推定を行うことで,照射光に対応するERK活性量をシミュレートする系を構築した.この系は光活性化AKTと併用可能であり,AKT,ERKの活性が自在に制御可能となるため,代謝制御におけるAKT,ERKの役割を詳細に分析することが可能となる.また,AKTのアイソフォームの違いに依存したシグナル活性化を分析するため,多階層オミクスシグナルネットワークを構築したAKT2の他に,AKT1を活性化した際に惹起されるシグナル伝達経路を測定し,比較した.この結果はAKTアイソフォームの活性の違いがどのように細胞内代謝応答に反映されるかを解明する一助となることが期待される.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)