2020 Fiscal Year Annual Research Report
Phase response theory of the circadian clocks and its experimental validation
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
19H04955
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
瓜生 耕一郎 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (90726241)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 概日時計 / 位相応答 / 数理モデル / リミットサイクル / Period / 光応答 / 遺伝子発現リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に、前年度に得られた哺乳類概日時計遺伝子Per1とPer2の機能分化に関する結果を、論文としてまとめることに取り組んだ。論文は国際誌に掲載された(Uriu and Tei 2021 PLOS Comput. Biol.)。Per1とPer2はともにネガティブフィードバックループを構成し、光シグナルによって発現が一過的に誘導される。恒暗条件下においてPer1遺伝子発現リズムのピーク位相はPer2のそれよりも約4時間早い。この時間差があると、Per1は主に概日時計の位相前進に、Per2は位相後退に寄与するという機能分化が起きる。今年度はこのテーマに関して、以下の新たな結果が得られた。 (1) 昨年度は遅延微分方程式系を用い、Per1とPer2の機能の違いを示した。今年度はさらに、常微分方程式系で概日時計遺伝子制御ネットワークをモデル化し、同様の結論が得られることを確認した。 (2) 昨年度に構築したモデルにCryやBmal1といった他の時計遺伝子を含めることで、より複雑なネットワークでも、Per1とPer2の機能分化が起きることを示した。(1)と(2)の結果は、Per1とPer2の位相応答における機能の違いは、数理モデルの詳細によらないことを示唆している。 (3) ヒトのクロノタイプとの関連性について解析を行った。明暗条件下での時計遺伝子の発現ピーク位相は、ヒトのクロノタイプ(朝型、夜型)に反映されると考えられている。光シグナルによってPer1がPer2よりも誘導されやすいと、遺伝子発現リズムのピーク位相が早まり朝型に、Per2の方がより誘導される場合にはピーク位相が遅くなり、夜型になることがモデルの解析から示唆された。 (4) 理論解析の結果が、実験結果と矛盾しないかどうかを文献調査により調べた。その結果、理論は哺乳類で観察される位相応答をうまく説明できることが分かった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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