2020 Fiscal Year Annual Research Report
擬似的な一細胞ダイナミクスの再構成による時空間的な遺伝子発現制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
19H04970
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 一満 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (90726431)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 一細胞 / ダイナミクス / ホッジ分解 / 非線形次元削減 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分化における選択的な遺伝情報獲得のメカニズムに関与する膨大な数の転写・転写制御因子、そして、それらが結合するゲノム上の制御配列の組み合わせが同定されてきた。これら多種多様な分子の組み合わせは、大自由度の系でありながらも、そのダイナミクスは必要な応答の種類に限られる少数のモードによって表現可能であると考えられる。そこで、本研究ではまず、一細胞トランスクリプトーム解析により得られたデータから時間情報を推定し、並び替えた一細胞プロファイルを用い、系の時間発展を表す作用素の推定を試みる。推定した作用素から主要なモードを抽出することで、分化や組織損傷等の環境変化に対するエピゲノム・トランスクリプトームの応答の低コストなシミュレーションを可能にする技術基盤の開発を目指す。本年度は、組織損傷等の環境変化に対するエピゲノム・トランスクリプトームを解析するため、組織のエピゲノムデータから転写ダイナミクス抽出する方法を開発した。遺伝子座上のRNA PolymeraseIIの分布形状から、転写活性状態を推定する統計モデルを構築することで、骨格筋組織の再生に伴って急激に変化する細胞型の組成や遺伝子の転写活性状態の変化をうまく捉えられることがわかった(論文投稿中)。ダイナミクスの疎なモデル化の試みについては、時間発展作用素を取り込んだスパース回帰モデルにより、ダイナミクスを表現する疎な有向グラフを構成する情報解析手法を開発した(論文投稿予定)。さらに、一細胞エピゲノム計測法について、複数のタンパク質を同時解析するmulti-ChIL法を開発し、論文成果を得た。共同研究では、3報の論文成果を得た。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)