2019 Fiscal Year Annual Research Report
試験・試合に勝つ:状況的意志力のコントロールによるパフォーマンスの向上効果の検証
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
19H05003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野内 類 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50569580)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 即時効果 / 認知介入 / 運動介入 / 栄養介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ある試験や試合で最高の成績を出す」という目標を実現できるかどうかは、個人の IQ や体力や 継続的に努力できる性格という【特性的な意志力】と本番のやる気や集中力という【状況的意志力】がうまくかみ合 うかどうかによって変わる。例え、高い【特性的意思力】があったとしても、本番の【状況的意志力】が低い場合 やる気がでない、集中できない には、最高の成績を出すことは難しい。このように、 目標の達成に大きく寄与する【状況的意志力】をどのように調整 すれば 、試験や試合で高成績を出せるのかという点は、 一般社会においても大きな関心が寄せられている。 運動を数十分実施するだけで、認知パフォーマンスが促進されるという運動の即時効果が報告されている。今年度の研究では、1回30分の有酸素と筋力トレーニングとストレッチを組み合わせたサーキット運動の即時効果を調べた。30分間のサーキット運動を実施すると、認知機能の抑制機能は向上することがわかった。しかしながら、処理速度や作業記憶などのパフォーマンスは向上しなかった。さらに、1回のサーキット運動で向上した抑制機能と向上した活力気分の間には、正の相関があることがわかった。これらの結果は、このパフォーマンスの向上にはドーパミン系の神経伝達物質や脳活動の変化が関与している可能性がある。 また、栄養効果の即時効果についても、先行研究のシステマティックレビューを行い、次年度に実施する栄養介入で使用するカロテノイドやイソシアネートの選別を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動介入の即時効果の研究を当初の予定通り行うことができた。認知介入や栄養介入の即時効果についても、先行研究のレビューを行うなど次年度以降の準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
認知・運動・栄養介入の即時効果を検証する測定指標などの選定やパイロット実験は、既に実施済みである。これらの研究成果を用いて、現実場面に即したパフォーマンスの計測を行う。さらに、認知・運動・栄養介入の即時効果のメカニズムを調べるため、MRIやNIRSを用いた脳イメージング計測などを行う。
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