2019 Fiscal Year Annual Research Report
不確実な状況下における報酬動機づけメカニズムとオレキシン神経活動
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
19H05017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝口 博之 名古屋大学, 環境医学研究所, 講師 (70402568)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オレキシン / 動機づけ / 意志力 |
Outline of Annual Research Achievements |
「意志力」は自己をコントロールし、難局を打開するのに必要な力である。我々は、オレキシン神経の活性化は報酬獲得に対するモチベーションの増加(諦めない行動)や確率逆転学習の成功率の低下に関わることを見つけ、自己コントロールにおけるオレキシン神経系の機能的役割を行動学的に実証した。しかし、①意志力検証実験中オレキシン神経は活性化しているのか、②課題遂行中のどのタイミングのオレキシン神経活動が、課題成功率にかかわるのかは不明である。本研究では、光遺伝学的手法を導入し、オレキシン神経活動の測定と、操作した時の意志力行動への影響を検討する。タッチスクリーン式弁別試験を用いて、意志力による自己コントロールにおけるオレキシン神経の機能的役割について検討する。初年度は、progressive ratio試験においてオレキシン神経を脱落させると、有意なやる気行動の低下が認められたが、メチルフェニデートを投与すると、緩解する傾向があることが分かった。また、orexin-CreラットにAAV-FLEX-ChR2をインジェクションし、ChR2を強制発現させたところ、ChR2の細胞特異的な発現局在が確認でき、視床下部を光刺激すると覚醒することを確認した。このことから、光刺激によってオレキシン神経を操作できることが分かった。新たに神経活動をin vivoで測定する装置(ワイヤレスファイバーフォトメトリー)を導入した。予備検討段階であるが、エアパフ刺激によるオレキシン神経活動をとらえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多少の実験の失敗はあるが、代替案により進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
タッチスクリーン式弁別試験を用いて、意志力による自己コントロールにおけるオレキシン神経の機能的役割について検討する。今回はprogressive ratio試験と確率逆転学習課題を行わせる。今年度特に、orexin-CreラットにAAV-FLEX-ChR2をインジェクションし、ChR2を強制発現させたラットを用いて、オレキシン神経活動を操作し、動機づけ行動がどのように変化するか検討する。また、強化学習モデルに当てはめ、動機づけ行動の意味付けを行う。さらに、新たに神経活動をin vivoで測定する装置(ワイヤレスファイバーフォトメトリー)を導入したので、その機器を用いて動機づけ行動時におけるオレキシン神経活動を測定する。予備検討段階であるが、エアパフ刺激によるオレキシン神経活動をとらえている。
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[Journal Article] REM sleep-active MCH neurons are involved in forgetting hippocampus-dependent memories.2019
Author(s)
Izawa S, Chowdhury S, Miyazaki T, Mukai Y, Ono D, Inoue R, Ohmura Y, Mizoguchi H, Kimura K, Yoshioka M, Terao A, Kilduff TS, Yamanaka A.
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Journal Title
Science.
Volume: 365(6459)
Pages: 1308-1313.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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