2020 Fiscal Year Annual Research Report
眼窩前頭皮質-線条体ネットワークの持続的活動による意志力維持のメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
19H05028
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣川 純也 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (40546470)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 意思決定 / 光遺伝学 / 眼窩前頭皮質 / 前頭前野 / 線条体 |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな情報の統合とその維持は最適な意思決定に不可欠である。意志を保持する力が弱まると、人は衝動に負け短絡的意思決定をしてしまう。本研究では前頭葉皮質の特定のニューロン集団でしばしば観察される「持続的な神経活動」と意志の力に因果関係があるかどうかを検証した。前年までの成果で眼窩前頭皮質の神経細胞群が意思決定に関する情報を符号する複数のクラスターにわけられることを示した。さらに光遺伝学的方法により線条体に投射する眼窩前頭皮質(OFC)ニューロンが意思決定における統合価値情報を次の試行が開始されるまで持続的に符号することを示した。さらにこの持続活動は試行間のインターバルが長くなるほど減弱すること、さらにその減弱と意思決定バイアスに相関があることを発見した。そこで意思決定行動課題遂行中にその活動を賦活化または抑制し、動物の意思決定バイアスに対する影響を検証した。チャネルロドプシンまたはJAWSをOFC-線条体投射細胞に発現させ、その活動の変化が選択行動に影響するかどうかを検証した。動物が報酬を獲得するタイミングでのOFC-線条体の活動の賦活化は意思決定のエビデンスに依存した報酬履歴バイアスを低下させるのに対し、抑制はバイアスを増加させた。これらの行動変化を説明するため、強化学習をベースにしたモデルを構築した。このモデルで実験結果をシミュレートしたところ、選択価値の増減によって意思決定バイアスは説明できた。これらの結果はこの経路が選択価値を保持し次の試行に活かすという「意志力の維持」に必要であることを示している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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