2020 Fiscal Year Annual Research Report
Social structure and mobility of humans, grains and animals in the West Asian prehistoric society assessed by chemical analyses
Publicly Offered Research
Project Area | The Essence of Urban Civilization: An Interdisciplinary Study of the Origin and Transformation of Ancient West Asian Cities |
Project/Area Number |
19H05031
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
板橋 悠 筑波大学, 人文社会系, 助教 (80782672)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会の複雑化 / ヒトの移動と物流 / 同位体分析 / 西アジア / 人骨 / 新石器時代 / 青銅器時代 / 銅石器時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリアの土器新石器時代遺跡のテル・エル・ケルク、ヨルダンの銅石器時代遺跡のハラアト・ジュヘイラ、イラクの新アッシリア時代の都市遺跡のヤシン・テペ、バーレーンのティロス期(紀元前330年~紀元後629年)のマカバ古墳群の出土人骨で出身地を反映するストロンチウム同位体分析を行い、各遺跡に埋葬された人骨に含まれる移入者の存在を検証した。 その結果、テル・エル・ケルク遺跡では成人人骨はすべて在地の出身者と判定された一方で、小児~若年齢3個体が移入者と判定された。小児期に死亡した個体だけが移入者であるという結果の解釈は難しいが、男女問わずに成人が在地だったことから一方の性だけが婚姻に伴って移住していた傾向は見られなかった。この結果は、発掘報告書『The Neolithic Cemetery at Tell El-Kerkh』で報告した。 銅石器時代の遊牧民の墓と考えられるハラアト・ジュヘイラの出土人骨は一律なストロンチウム同位体比を持っており、明確な移入者の存在は確認されなかった。また新アッシリア帝国期の辺境の都市遺跡であるヤシン・テペの人骨5点も一律なストロンチウム同位体比を持っていた。しかし現状で測定した資料数は極めて限られているため、今後に資料を増やして検証する必要がある。 マカバ古墳群出土人骨2個体から得られた3点の資料では、それぞれの個体が異なるストロンチウム同位体比と酸素同位体比を示した。この結果は、マカバ古墳群には大きく環境の異なる地域の出身者が埋葬されていたことを示す。パルミラの隊商との関わりが深いマカバ古墳群の被葬者の特殊性を反映していると考えられる。この結果は『ヘレニズム~イスラーム考古学研究 2020』で報告した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)