2020 Fiscal Year Annual Research Report
Attempt on paleoclimate reconstruction of West Asia using speleothem and travertine samples collected in Iran
Publicly Offered Research
Project Area | The Essence of Urban Civilization: An Interdisciplinary Study of the Origin and Transformation of Ancient West Asian Cities |
Project/Area Number |
19H05035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南 雅代 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (90324392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 西アジア / トラバーチン / 大気エアロゾル / 炭素14測定 / 古環境復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、イランのトラバーチン試料を用い、火山活動とトラバーチン形成の関係性に着目して西アジア地域の過去数千年~数万年間の長期的な古気候復元と西アジアの乾燥化について解明することを目的としている。 2019年度は、イラン北西部・西アゼルバイジャン州タフテ・ソレイマンの円錐状のトラバーチンの山から連続的にトラバーチン試料を採取し、数千年間の古気候復元を行った。また、イランの現環境を把握するため、2019年10月に、イラン・クルジスタン大学にハイボリュームエアサンプラーをセットし、大気エアロゾルPM10の捕集を開始した。実験を開始した当初は、2020年6月頃にイランで現地調査を行うとともに、捕集したエアロゾル試料を持ち帰る予定であったが、コロナ禍により断念せざるを得なくなり、試料を空便で送付してもらうよう計画を変更した。2021年1月にようやくエアロゾル試料を受け取ることができ、分析を開始した。分析の結果、冬季は大気エアロゾルの全炭素の炭素14濃度が低く、石炭・石油の燃焼や自動車の排気ガス起源炭素の寄与が大きいことが分かった。3月以降は炭素14濃度は上昇するとともにCaやAlの濃度が大幅に増加しており、春季は、イラン周辺において、イラクやサウジアラビアからの砂塵粒子の飛来量が増加し、環境に影響を与えていることが明らかになった。 その他、トラバーチンを採取した周辺の湧水の分析を行い、湧水中には石灰岩から溶解した成分に加えて火成活動に起因する成分が含まれていることを明らかにした。以上のトラバーチン、大気エアロゾル、湧水試料から得られた結果を総括し、論文にまとめつつある。 その他、イランの構造地質を明らかにするため、ザグロス造山帯の年代学・同位体地球化学の研究を進め、いくつかの論文にまとめた。また、水試料から溶存炭素を効率的に抽出する手法についても論文に公表した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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