2020 Fiscal Year Annual Research Report
水素吸蔵物質での水素位置確定法:粉末中性子ホログラフィーの実現
Publicly Offered Research
Project Area | HYDROGENOMICS: Creation of Innovative Materials, Devices, and Reaction Processes using Higher-Order Hydrogen Functions |
Project/Area Number |
19H05045
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大山 研司 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (60241569)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホログラフィー / 中性子 / 局所構造 / 水素 / ドーパント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「ハイドロジェノミクス」が求める新たな水素の可視化技術であり、かつ金属中の孤立水素を観測できる数少ない方法である「粉末白色中性子ホログラフィー」を実現し、水素吸蔵物質での水素位置決定、あるいは水素周囲の原子構造観測を目指す。水素が格子を組まず孤立して合金中にある場合、通常の散乱実験では観測が困難である。我々は、世界で初めて白色中性子をホログラフィーに用いることで、並進対称性を持たない微少量ドーパントまわりの原子構造を世界最高精度で観測することに成功した。その後、様々な物質での原子構造観測に成功していることから、水素周囲の原子構造を観測することで孤立水素位置を決定できるはずと考えた。その目的の前段階として、2020年度では、大強度陽子加速器施設J-PARC(茨城県東海村)において、Hを吸収させたBドープSiでのB周りの水素像の観測と、粉末試料での一次元ホログラム測定に挑戦した。これらの実験のため、2019年度で導入した高分解能検出器を多検出システム化を行った。 まずBドープSiでは、東北大金研折茂研究室との共同研究で軽水素化、重水素化試料の両方を用意し、水素化していない試料とでB周りの原子像を比較した。その結果、軽水素化、重水素化試料の両方で本来原子のない原子間位置に原子像を観測した。軽水素化、重水素化試料で散乱長が反転しており、これは重水素、軽水素の中性子核散乱長の符号が反転することと一致している。このことからB周りの水素の観測に成功したと考えている。 また、J-PARCのBL-04において粉末試料での測定の環境構築をすすめ、データのエネルギースペクトル化、および1次元ホログラムと1次元動径分布関数のシミュレーション環境を構築した。これにより、理論値と実験データとの比較が可能となり、データの評価が可能になった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Behavior of Sm in the boron-cage of Sm-doped RB6 (R=Yb,La) observed by multiple-wavelength neutron holography2020
Author(s)
S. Uechi, K. Ohoyama,Y. Fukumoto, Y. Kanazawa, N. Happo, M. Harada, Y. Inamura, K. Oikawa, W. Matsuhra, F. Iga, A. K. R. Ang, and K. Hayashi
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 201
Pages: 054104(1)-(10).
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Preparation, thermoelectric properties, and crystal structure of boron-doped Mg2Si single crystals2020
Author(s)
Kei Hayashi, Wataru Saito, Kazuya Sugimoto, Kenji Ohoyama, Kouichi Hayashi, Naohisa Happo, Masahide Harada, Kenichi Oikawa, Yasuhiro Inamura, and Yuzuru Miyazaki
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Journal Title
AIP Advances
Volume: 10
Pages: 035115(1)-(7).
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] CHALLENGE OF DETERMINATION OF HYDROGEN POSITIONS IN HYDRIDES BY WHITE NEUTRON HOLOGRAPHY2020
Author(s)
K. Ohoyama, Y. Kanazawa, T. Yamamoto, S. Uechi, K. Sugimoto, S. Arase, S. Noda, T. Ishizaki, K. Hayashi, N. Happo, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, T. Sato, S. Orimo
Organizer
1st Int. Symposium "Hydrogenomics" combined with 14th Int. Symposium "Hydrogen & Energy"
Int'l Joint Research
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[Presentation] 白色中性子ホログラフィーによるB doped Si中の水素観測 ~H,Dを使った同位体の置換効果による検証~2020
Author(s)
山本 隆文, 大山 研司, 上地 昇一, 金澤 雄輝, 杉本 和哉, 荒瀬 将太朗, 石崎 嵩人, 野田 新太, 林 好一, 八方 直久, 原田 正英, 及川 健一, 稲村 康弘, 佐藤 豊人, 折茂 慎一
Organizer
日本中性子科学会2020年年会
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[Presentation] 原子分解能ホログラフィーによる熱電材料Mg2Snの ドーパント位置の決定2020
Author(s)
杉本 和哉, 山本 隆文, 八方 直久, 原田 正英, 及川 健一, 稲村 康弘, 林 慶, 斎藤 亘, 宮﨑 讓, 林 好一, 大山 研司
Organizer
日本中性子科学会2020年年会
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[Presentation] TmB6における格子不安定性解明のためのTmドープYbB6のTmまわりのBの観測2020
Author(s)
荒瀬 将太朗, 石﨑 嵩人, 野田 新太, 松浦 航, 伊賀 文俊, 杉本 和哉, 山本 隆文, 林 好一, 八方 直久, 原田 正英, 及川 健一, 稲村 康弘, 大山 研司
Organizer
日本中性子科学会2020年年会
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[Presentation] 原子分解能ホログラフィーを用いた太陽電池材料 SnドープSi薄膜のSn位置の決定2020
Author(s)
星 翔太, 菅野 友哉, 高野 元輝, 荒瀬 将太郎, 石崎 嵩人, 野田 新太, 木村 耕一, 八方 直久, 中原 正博, ダムリン マルワン, 林 好一, 大山 研司, 宇佐美 憲隆
Organizer
日本中性子科学会2020年年会
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[Presentation] 白色中性子ホログラフィーを用いた熱電材料Mg2X(X=Si、Sn)の局所構造解析2020
Author(s)
杉本和哉,山本隆文A, 林好一, 八方直久, 原田正英, 及川健一,稲村康弘,林 慶, 斎藤 亘, 宮﨑讓, 大山研司
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
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[Presentation] 希土類六ホウ化物TmドープYbB6のTmまわりの局所構造観測2020
Author(s)
荒瀬将太朗, 石﨑嵩人, 野田新太, 松浦航, 伊賀文俊, 杉本和哉, 山本隆文, 林好一, 八方直久, 原田正英, 及川健一, 稲村康弘, 大山研司
Organizer
日本物理学会2020年秋季大会
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