2019 Fiscal Year Annual Research Report
Hydrogen dynamics and catalytic activity near inhomogeneous surface in metal nanoparticles
Publicly Offered Research
Project Area | HYDROGENOMICS: Creation of Innovative Materials, Devices, and Reaction Processes using Higher-Order Hydrogen Functions |
Project/Area Number |
19H05062
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石元 孝佳 横浜市立大学, 理学部, 准教授 (50543435)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 水素ダイナミクス / 不均一構造 / ハイブリッド法 / 電子状態計算 / 触媒活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pd触媒によるアルケンの水素化反応は工業的に重要で、より高活性な触媒設計のためには、反応機構の詳細を理解することは不可欠であるが、電子レベルでの水素の振る舞いが正確に理解されているとは言い難い。そこで本研究では、Pdナノ粒子における高活性化・精密制御された触媒反応場を設計するためにPdナノ粒子中での水素ダイナミクスの詳細な理解に向けた新規計算手法の開発とPdナノ粒子上での水素化反応について大規模高精度電子状態計算を用いて解析した。まず、Pdナノ粒子という不均一反応場と水素の量子力学的振る舞いを高精度に記述する計算手法として“平面波局在混合基底電子状態計算手法(CPLB法)”の改良に取り組んだ。まず、CPLB法での解析的な構造最適化プログラムを実装した。また、CPLB法で用いる局在基底部分の電子状態計算に水素の量子力学的振る舞いを記述可能なnon-BO量子論を適用可能とした。特にPd表面に対する水素・重水素吸着および吸蔵における構造や吸着・吸蔵エネルギーの同位体効果の解析に開発手法であるCPLB法は有効であることを示すことが出来た。また、炭化水素のモデル構造としてCH4/CD4を取り上げ、Pd表面への吸着時における詳細な解析もCPLB法を用いて行った。計算の結果、CH4はCD4よりも吸着エネルギーが大きく、表面との距離も近い、といった同位体効果の詳細な記述に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響があり、予定していた学会発表などを一部行うことはできなかったが、計算手法の開発では予定通りCPLB法の構造最適化プログラムの実装が出来た。得られた成果も論文としてまとめることが出来、当初予定していた成果は着実に上がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発したCPLB法のさらなる改良は今後も継続していくが、昨年度からの繰り越しであるため、今年度が最終年となる。
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Research Products
(15 results)