2019 Fiscal Year Annual Research Report
液晶ブロック共重合体が形成するミクロ相分離ミルフィーユ構造のキンク形成と力学物性
Publicly Offered Research
Project Area | Materials science on mille-feullie structure -Developement of next-generation structural materials guided by a new strengthen principle- |
Project/Area Number |
19H05120
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸木田 雅利 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (30301170)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 液晶ブロック共重合体 / ラメラ状ミクロ相分離 / キンク形成 / 応力ひずみ特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
液晶性ポリエステル(LCP)の両端にポリメタクリレート(PMA)が結合した液晶ブロック共重合体(LCBCP)はラメラ状ミクロ相分離(Lam)構造を形成する.このLam構造は,PMAが形成する硬質層とLCPが形成する軟質層から構成されるミルフィーユ構造である.本研究の目的は,Lam構造を法線方向に延伸した時の応力―ひずみ(S-S)特性とキンク形成機構の解明と,高分子材料系ミルフィーユ構造のキンク強化現象の検証である. モノドメインLam構造試料を法線方向に延伸したときのLam構造変化とキンク形成をSAXS測定,TEM観察で捉えた.Lam構造変化とS-S特性との相関を明らかにした.SAXS解析によりLam構造の層間隔と層厚の変化を捉えた.Lam構造にキンクが形成されジグザグ状になったことを,延伸方向にあった散乱極大が方位角方向への広がり,さらには4点散乱パターンへの変化で捉えた.ラメラ法線の傾き角はSAXSスポットのスプリット角で,キンクの周期はTEM観察で決定した. ジグザグ状のLam構造を形成するLCBCPを調製し,その応力ひずみ特性と構造変化を調査を開始している.キンク形状の有無が延伸に伴うLam構造の変化とS-S特性に影響を及ぼすことを示唆する結果を得てきている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の計画で,当初の半分は成果に記述したとおり得られており,また,2年目の研究試料調製および予備実験にも着手できている.
|
Strategy for Future Research Activity |
ガラス転移温度(Tg)が異なるPMA鎖を有する液晶ブロック共重合体(LCBCP)のモノドメインLam構造モノドメイン試料をラメラ法線方向に延伸した時のS-S特性とLam構造変化,キンク構造形成の調査によりミルフィーユ構造の硬質層/軟質層の弾性率比がS-S特性に及ぼす影響を明らかにするとともにキンク強化現象を検証する.ミルフィーユ構造を特徴づける硬質層/軟質層の弾性率の比はPMAの種類と試料温度で変化する.PMMA,PEMAおよびLCPの弾性率は動的粘弾性測定で決定する(周波数は延伸速度に対応).硬質層/軟質層の弾性率の比が異なるLCBCPについて延伸時のLam構造変化とS-S特性を調査し,LCBCPミルフィーユ構造のキンク強化現象を検証する.
|
Research Products
(9 results)