2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of di-quark structure in charm baryons
Publicly Offered Research
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
19H05148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 悠司 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 特任助教 (00727612)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘビークォーク / チャームバリオン / B-Factory実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、Belle実験で取得された約1 ab-1のデータを用いて、これまでに観測されてきたチャームバリオンのスピン・パリティといった量子数の決定及び未知の崩壊過程に対する分岐比の測定を行うことにより、チャームバリオン内におけるダイクォーク構造を明らかにすることである。 2019年度は、クォーク模型では多くの励起状態が重なっており、質量だけではどのような状態か識別するのが困難であるΞc(2970) のスピン・パリティの決定のための解析を進めた。 Ξc(2970) -> Ξc(2645)π、Ξc(2645)→Ξcπ崩壊における崩壊角分布の測定により、スピンを決定した。また、Ξc'πとΞc(2645)πとの相対的な崩壊分岐比より、パリティの決定も行った。現在投稿論文の準備中である。 平行して、既に発見された状態であるΛc(2880), Λc(2940)がΣcπ, pD に崩壊する相対的な分岐比の測定に対する解析も進めている。Σcπはチャームクォークがバリオンに含まれており、pDはチャームクォークが中間子に含まれているので、この相対的な崩壊分岐比はバリオンの構造に対して重要な情報を提供する。基本的な選別条件は全て決定し、全データの1/10のサンプルを用いて背景事象の理解を進めている段階である。 それに加えて、これまで探索がなされたことのないΛc+η崩壊モードの解析も進めている。 基本的な選別条件は全て決定し、まもなくデータにおける質量分布を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間かけてΞc(2970)のスピン・パリティの決定を行う予定だったが、1年目でほぼ解析が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
Ξc(2970)のスピン・パリティ決定に関する論文の投稿を進める。 また、これまでに探索されていないΛc+とηメソンへの崩壊モードの解析を進めていく。
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