2020 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高感度なイオン化検出による極低温多原子分子研究
Publicly Offered Research
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
19H05149
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50579753)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レーザー冷却 / エフィモフ状態 / フェッシュバッハ共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3次元光格子中に生成した冷却原子集団を用いて、Feshbach共鳴付近に存在する特殊な3体束縛状態であるEfimov状態に関する研究を促進することである。特にパルスレーザーを用いた高速・高感度なイオン化検出法を利用することによって、Efimov状態の直接観測をはじめとする、詳細な研究を進めることを目標としていた。またEfimov状態は原子核物理等の他の物理系においてもユニバーサルに存在する状態であるために、物質の階層構造の形成の謎を解くカギとなる研究となっている。 Efimov状態を効率よく生成するためには、BEC相転移温度付近まで冷却する必要がある。本研究ではその手法として、3次元光格子を使った新しい冷却法を開発した。本研究では、光共振器による2万倍の光増幅を利用することで、直径1㎜、深さ300uKの3次元光格子を実現し、この光格子に3x10^7個の多数の原子をトラップすることに成功した。 さらにこのトラップされた原子を冷却する手法として、ラマンサイドバンド冷却と光格子の操作による圧縮を行った。その結果わずか300msの冷却時間で500nKという量子縮退温度付近まで冷却することに成功した。一般的な蒸発冷却の1/10以下の時間での冷却に成功している。これらの成果は、物理学会等で報告している。 冷却された原子からEfimov状態を生成するための準備として、強磁場を発生させるコイルや、検出用のパルスレーザーの準備等を行っていたが、コロナ過の発生や私自身の異動もあり、Efimov状態生成までは到達していない。 その他の活動として、計画研究C01班の高橋先生との週1回ペースでの2年間の継続したミーティングにより、Er原子とLi原子間のFeshbach共鳴観測実験に貢献した。さらに、計画研究C02班の堀越先生との議論により、極低温分子の光解離実験へも貢献してきた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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