2019 Fiscal Year Annual Research Report
免疫異常の記憶から捉える精神疾患の階層的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
19H05219
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
和氣 弘明 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (90455220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミクログリア / エピジェネティックス / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では精神疾患発症におけるミクログリアの関与について検討する。 統合失調症などの精神疾患では血液脳関門(BBB)の透過性が増大することが知られている。そこで本研究ではまずミクログリアのBBB透過性に対する寄与を検討した 全身炎症時において、ミクログリアが血管周囲に集積することを明らかにした。また炎症早期にはミクログリアは血管基底膜に浸潤し、血管内皮細胞と結合しタイトジャンクションを形成することでBBBの透過性に保護的に作用し、炎症後期にはアストロサイトの足突起を貪食することでBBBの透過性増大を引き起こすこと、さらにその分子メカニズムを明らかにした(Haruwaka et al., Nature Commun, 2019)。つぎに胎生期における炎症が精神疾患の発症に寄与することに着目し、胎生期の炎症が免疫細胞であるミクログリアのエピジェネティックな変化を引き起こし、思春期のストレス負荷によって統合失調症が発症すると言う仮説のもと、胎生期の炎症モデルマウスの5週齢に拘束ストレスを負荷したところ野生型のマウスでは鬱様症状が出現し、オープンフィールド試験で行動量が減少するのに対し、胎生期炎症モデルマウスでは行動量が増加することがわかった。領域内共同研究により、現在このDNAメチルかを検証している。さらにこのマウスのシナプス変化・神経回路活動変化を2光子顕微鏡による生体イメージングで検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
派生した研究成果より大幅に進捗している
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Strategy for Future Research Activity |
さらに本年度は先天的盲の患者は統合失調症に罹患しないことに着目し、上記胎生期炎症モデルマウスに視覚遮断を引き起こし、行動変化を観察する。胎生期炎症モデルマウスと比較して行動異常を認めた場合に、2光子顕微鏡を用いてシナプス変化および神経細胞集団の活動変化を高次視覚野で検証する。さらに当研究室では視覚遮断モデルとして単眼遮蔽マウスを用いて、ヒゲ刺激による高次視覚野の応答の変化および識別能力の変化を検証する異種感覚の可塑性のメカニズムをミクログリアに着目して行っている。そのため、本研究においてもこのメカニズムの変化が胎生期炎症モデルマウスに視覚遮断を起こしたマウスでどのように変化するのかを検証する。
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Research Products
(10 results)