2020 Fiscal Year Annual Research Report
死後脳マルチオミクス・プロファイルに基づく統合失調症病態の構成的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
19H05223
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
國井 泰人 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00511651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 死後脳 / 次世代シーケンサー / 神経炎症 / C4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、福島精神疾患死後脳バンクに凍結保存された死後脳40 例及び新潟脳研保管の健常対照死後脳26 例について、前頭前皮質及び尾状核各50-100mg の採取作業を行い、前頭前皮質39 例(統合失調症23 例、双極性障害 10 例、対照 6 例)についてRNAseq 解析を施行した。近年注目されている統合失調症の神経炎症仮説に着目し、前頭のRNAseq 解析で得られたデータからサイトカインを主とする炎症関連分子8 つのmRNA 発現データを抽出し、その発現パターンに基づいてクラスター解析を行い、統合失調症群を高炎症/低炎症のBiotype に分類した。またELISA 法により前頭前野、上側頭回におけるC4 タンパク質発現量をELSA で測定したところ、C4 のタンパク質発現は高炎症Biotype で高く、特にBA10 では、有意な差を認めた。補体成分であるC4 は、全身炎症疾患においてはサイトカインと同様に代表的な炎症マーカーとして知られるとともに、脳神経発達段階におけるシナプスの刈り込みへの関与が知られており、神経炎症が統合失調症の発症へ至る神経生理学的メカニズムに、C4 による神経の過剰な刈り込みが関与している可能性が示唆された(論文投稿準備中)。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 新規クロザピン結合タンパク質の探索 ―α/βチューブリンに対する相互作用2020
Author(s)
國井泰人,日野瑞城,近藤豪,和田明,松本純弥,丹羽真一,菊地哲郎,佐藤慎二,橋本徹哉,瀬藤光利,矢部博興
Organizer
第116回日本精神神経学会学術総会
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