2019 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化タンパク質ならびにその連結様式を解析するためのケミカルプローブ創製
Publicly Offered Research
Project Area | New frontier for ubiquitin biology driven by chemo-technologies |
Project/Area Number |
19H05295
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 幸裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30636402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ユビキチン / 分子設計 / プローブ / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン化は、タンパク質分解をはじめとする多彩な細胞機能を調節している。このようなユビキチン化は、タンパク質の寿命や細胞内局在、他のタンパク質との相互作用など、タンパク質の状態や機能を制御し、さらには、それに伴う多彩な細胞機能調節をも司る。このようなユビキチン化による多様な細胞機能調節は、複雑なユビキチン化様式によって達成されると考えられている。しかし、ユビキチン化タンパク質やその修飾様式を検出・定量するのは難しく、細胞内のタンパク質が、いつ、どこで、どの程度、どのようなユビキチン化修飾を受けるかを的確に解析するのは、多くの場合、困難を伴う。そこで、本研究では、細胞内におけるユビキチン化タンパク質を簡便かつ効率的に検出する新たな手法を開発することを目的に、ユビキチン化検出プローブの創製を行う。 本年度は、ユビキチン化検出プローブの設計・合成およびその機能評価を中心に行う。ユビキチン化検出プローブは、ユビキチン活性化酵素E1、結合酵素E2、転移酵素E3の3種類の酵素によるユビキチン化機構を基に行う。有機化学的に考察すると、E1のユビキチン認識とATP依存的な活性化反応がユビキチン化の律速段階と言える。そこで、本年度は、ユビキチンのように、E1の活性システインにチオエステル結合を介して連結される化合物ユビキチン化検出プローブになりうるとなりうると考えた。実際には、ユビキチン活性化酵素E1に選択的に認識されると報告されているE1阻害薬を基にそのプローブ化を目指した。その結果、E1の基質となる可能性のある2種類の化合物の創製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、E1の基質となる可能性のある2種類の化合物の創製に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、さらなる化合物の最適化、プローブ化を目指す。また、併せて、評価系の構築も目指す。
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