2019 Fiscal Year Annual Research Report
外的刺激による間隔時間知覚の操作とそのメカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Chronogenesis: how the mind generates time |
Project/Area Number |
19H05308
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四本 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 時間知覚 / 神経引き込み / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに得た間隔時間知覚における同期的神経活動の役割についての知見に基づいて、経頭蓋交流電気刺激(tACS)や周期的な触覚刺激を用いて知覚される時間の長さや速さを操作し、間隔時間知覚の神経機序について新たな知見を得ることを目的とした。また、時間経過に注意が向いていないより現実的な環境で間隔時間知覚を測定することにより、間隔時間知覚における注意の役割を明らかにすることも目指した。2019年度に行った実験は以下のとおりである。 1. 時間知覚に関する加齢の効果を検証した。特にimplicit な時間知覚とexplicitな時間知覚に関する年齢の影響について検証した。結果をまとめた2報の論文が査読中である。 2. 瞬時に複数の情報の平均値が知覚できるというアンサンブル知覚の特性が時間知覚についても存在するかを検証した。結果をまとめた論文を執筆中である。 3. 明滅する視覚刺激が神経引き込みを介して時間知覚に及ぼす効果を検証した。結果をまとめた論文は、Journal of Vision誌に掲載予定である。 4. 視覚と聴覚の時間情報統合を検証し、ベイズ統計を用いたモデル化を行っている。この手法を用いて、注意が時間情報統合に及ぼす効果を明らかにする予定である。 さらに、コロナウイルス感染防止のための外出規制時の時間知覚について、国際共同研究に参加している。現在、100人以上から400時間分のデータを取り終えている。今後は外出規制が解除された1ヶ月後と3ヶ月後のデータを取り、特殊な状況下での時間知覚について経時的に検証する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度の結果をまとめた論文は1つが掲載決定しており、他の論文も査読中または執筆中の状態である。また、アンサンブル知覚を検証した実験を行った学生は、東京大学総長賞を受賞するなど、高く評価されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染対策のための外出規制により、研究室での実験が行えなくなったが、4月から、外出規制中の人間の時間知覚について検証する国際共同研究に参加して大規模オンライン実験を行っている。現在、約100名から350時間分のデータ取得を完了している。
|
Research Products
(14 results)