Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの時間知覚に関する神経機構を検証することを目的とし、複数の実験を行った。 Gallego-Hiroyasu, E. M., & Yotsumoto, Y. (2021)とGallego-Hiroyasu, E. M., & Yotsumoto, Y. (2020)では、高齢者の時間知覚の精度を詳細に測定し、加齢にともなって時間知覚の精度が落ちる可能性を示唆した。Chatroudi, A. H., Rostami, R., Nasrabadi, A. M., & Yotsumoto, Y. (2021)では、知覚の抑制に関するアルファ帯域の周波数の効果を検証した。Hosaka, T., Kimura, M., & Yotsumoto, Y. (2021)では、長期間の音声学習が聴覚皮質の反応を変容させることを報告した。Kawahara, H., & Yotsumoto, Y. (2020)では、視覚刺激の時間長の知覚が、妨害刺激の影響を受けることを詳細に検証し、その声質を報告した。さらに、複数の時間長情報を統合するアンサンブル知覚の特性や、視覚情報と聴覚情報の統合におけるベイズ統計モデルに関する研究を進めており、現在、論文を執筆中である。また、コロナ禍における外出規制時の時間知覚についての国際共同研究を進めている。国際共同研究では、その問題意識を共有する研究者グループにより、2020年4月より、8言語18か国で外出規制時の時間知覚に関する国際共同研究が立ち上げられた。この国際共同研究では、個人の性格や気分や生活パタンに関する複数の質問項目と時間知覚に関する複数の課題を、それぞれの言語に翻訳しオンラインでデータ取得をしている。各国で最初の外出規制中からデータ取得を開始し、外出規制が解除されたその後も継続してデータを取得しており、共同研究は2021年以降も継続予定である。
|